「同労者」第96号(2007年10月)                         目次に戻る

巻頭言
− 残された証し − 
森田 心

「預言者のともがらの妻のひとりがエリシャに叫んで言った。『あなたのしもべである私の夫が
死にました。ご存じのように、あなたのしもべは、【主】を恐れておりました。ところが、貸し主が
来て、私のふたりの子どもを自分の奴隷にしようとしております。』エリシャは彼女に言っ
た。・・・」(列王記U4:1〜2)

 冒頭のみことばは、7月29日の礼拝説教で語られたところです。預言者の家族に残されたも
のは財産ではなく、負債でした。そして、この妻はこの出来事をエリシャに告白しました。エリシ
ャが告げたことは、からの器を借りること、それも一つ二つではなくたくさん借りるようにというこ
とでした。そしてそれに油をつぎなさいと命じました。
 彼女はその通り行いました。そして、エリシャに命じられたことを子供たちに告げ、からの器
を集めるように言いました。子供たちはどれだけの器を真剣に集めたのでしょう。なんと言って
器を貸して下さいと説明したのでしょうか。この妻が神様に向かって語った信仰の証しが受け
入れられ、この家族が神様の豊かな祝福に与ることができたことが語られました。私は力ある
神様の働きに使命をもって生きる者となりたく願うとともに、それを子供たち、次の世代の方々
にも証しし続けていくことの大切さを示されました。
 7月25日、私共の教会の愛する石井はる姉を天におくりました。95才とのことでした。私は
この姉妹とは年齢差もあり、特別何かを一緒に取り組んだことはありませんでした。教会の玄
関で会えば、"はるさん風邪ひいてませんか?体調はいかがですか?"と話しかけると、いつも
元気よく"はい、おかげさまで元気です。"と返事が返ってきました。病はかかえていましたが、
亡くなる一ヶ月前まで、礼拝をはじめほとんどの集会の席を守り続けた方でした。姉妹の告別
の時、若い18才の時に入信され、クリスチャンとの結婚に導かれ、神様の摂理の故に、今の
私たちの教会に転会されてきたことなどが語られて、長い信仰者の生涯のほんの一片です
が、触れることができました。石井はる姉の証しを通して成されたすばらしい財産を見るととも
に神様のくすしき恵みを覚えて感謝いたします。
(仙台聖泉キリスト教会会員)



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