「同労者」第100号(2008年2月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 畑の植物から

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可によ
り掲載。
詳細は同氏のホームページ
         http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2005feild2.htm#f4
 又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。


葱――>リーキAllium porrum
ユリ科ネギ属
hatzir


(今回は写真がありません。上記植物図鑑をごらんください。)


誰か肉を食べさせてくれないものか。エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、
葱や玉葱やにんにくが忘れられない。今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回しても
マナばかりで、何もない。(民数記11:4〜6)
いろいろの発掘からBC2000年以上前からエジプトの食糧であったことが証明されている。青
銅期中期のものがエリコからも見つかっている。メソポタミアなどからもBC2000年には既に
育っていたことが証明されている。現在のイスラエルではサラダリーキAllium kurratがAllium
porrumよりもなじみが深い。両方の野生の先祖は地中海沿いに自生するAllium
ampeloprasumで、このネギはイスラエルにも自生している。サラダリーキは葉が細い。
本種は日本ではニラネギ、セイヨウネギ、ポロネギ、リーキなどと呼ばれ、2年草である。日本
のネギに似ているが、葉は扁平で円筒状でない。白根の部分は日本のネギよりも短いが、質
が柔らかく、においが強い。古代エジプト、ギリシャなどで既に栽培され、日本にも明治初期に
導入されたが、あまり定着していない。サラダ、スープ、グラタンなどに用いる。イスラエルとそ
の近辺にはTrigonella foenum-graecumが自生している。 Hepperはこの植物を民数記11:5の
シナイの荒野のリーキとしていると言っている人があると述べている。この植物は、種子がスパ
イスになり、ホルンのような形の鞘がつく。全草からクマリン臭があり、食料や、肉、魚、シチュ
ーの香り付けになり、薬用にもなる。現在この植物はカレーの中に加えられているし、ハーブテ
ィーのフェヌグリークがこれにあたる。



トップへ
トップへ
戻る
戻る