結実  




 神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行なわせてくださる
のです。    −−  ピリピ人への手紙2章13節

 この度、私達の教会の役員であり、教会学校成人科教師、聖書研究会講師等信徒としてそ
の働きを豊かになされており、また当教会が所属する日本聖泉基督教会連合の信徒部会発
行誌「同労者」の編集責任者としても活躍中であられる野澤睦雄兄の著書を世に送り出せるこ
とを心から喜んでいます。
 これまで説教者、牧会者の諸先生方が自ら研究者となられ、ご自分の働きの中で得られた
豊かな知識を整理し執筆されることは珍しいことではありませんでした。しかし、信徒として日
夜、世の生活に勤しみながら神の召しと共に生き続け、応え続けることは並大抵のことではな
く、加えてそれを研究し、追及し、整理をして発表することは、主からのチャレンジに他なりませ
ん。そのことに著者が見事にお応えなさったことを同じ教会に仕える牧会者として大変誇りに
思う次第です。

 著者の野澤兄は大学入学と同時に仙台での生活を始められ、それから直ぐクリスチャンで
あられたお父様の勧めで私達の教会に導かれました。以来40年以上仙台聖泉キリスト教会
の一員として仕え続けられ、同じく約40年前牧師として赴任した私の父、山本光明と共に聖言
に生き、師弟関係とも呼べるような牧師と信徒の関係を貫かれました。この日本という国で大
変少数のクリスチャンが信仰者としてその生涯を全うするために欠くことが出来ないのは真の
神の教会建設であるとの牧会理念に立って歩んだ牧師と、それをどのように受け入れ、自らの
ものとし、形にしていくかに取り組んだ信徒との二人三脚でした。この歩みを牧師の立場では
なく信徒の立場で整理し、同様の取り組みの中にある人々への助けにと願ったのが本書で
す。

 昨年2月、生涯の伴侶であられた靖乃姉を天に送られ、その早い地上での別れに大きな悲
しみと困難を覚えられたことでしょうが、始められる第二の人生に神の召しへの尚豊かな献身
を志される著者の信仰が、この本の中に力強く表されていることをお約束してお薦めの言葉と
させていただきます。
2004年2月           
                             仙台聖泉キリスト教会牧師  山本嘉納

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