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          「同労者」第57号(2004年7月)
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                    − この土の器をも −
           
          
                          東京ミレニアム・チャーチ 牧師  長谷川 与志充
           
          
           前回は三浦文学の必読書である「道ありき」を取り上げさせていただきましたが、今回はそ
           
          の続編である「この土の器をも」をご紹介しようと思います。(ちなみに、この書の副題は「道あ りき第二部結婚編」となっています。) 
           「道ありき」は三浦綾子氏の三浦光世氏と結婚するまでの独身時代の記録ですが、「この土
           
          の器をも」は結婚後処女作「氷点」入選までの結婚生活初期の記録です。 
           というわけで、「道ありき」からは独身時代に私達がしっかり学ぶべきことが何であるかを学
           
          べますが、「この土の器をも」では結婚生活にどうしても必要なものが何であるかを私達は深く 学ぶことができます。 
           この書は次のような書き出しで始まっています。
           
          
          「青春とは自己鍛錬による、自己発見の時だと、臼井吉見氏は言っておられる。わたしの青春
           
          の記「道ありき」は、確かに自己発見の記録であった。その自己は、愛と信仰の告白をなす自 己であった。これから書きつづけるこの記録も、わたしたち夫婦の、愛と信仰の告白と言っても いいだろう。わたしはこの中で、結婚生活とは何か、家庭を築くとはどういうことか、夫婦のあり 方はどうあらねばならぬかを、自己に問いつづけながら書き綴ってみたいと思う。」 
           そして、その後には三浦綾子氏が結婚する前に中嶋正昭牧師から教えられた有名な言葉が
           
          記されています。 
          「結婚したからといって、翌日からすぐに夫婦になったといえるものではない。わたしたちが真
           
          の夫婦になるためには、一生の努力が必要である。」 
           このような教えを受けた三浦夫妻は、結婚式の夜、正座して次のような祈りをささげていま
           
          す。 
          「神様、きょうの喜びの日をお与えくださいましたことを、心から感謝申しあげます。きょうより一
           
          体となって、神と人とに仕える家庭を築き得ますように、わたしたちをお導きください。」 
           この書から学べる結婚生活のあり方は以下のポイントでまとめることができます。
           
          
          @性生活よりも祈りによる人格と人格の結合を結婚生活の根本にする。
           
          
          A自分達の家庭を、多くの人を受け入れ、愛する教会のような家庭とする。
           
          
          Bお互いの過去をそのまま受け入れ、すべてを許し合う生活を行う。
           
          
          Cお互いの家族や友人、恩人を大切にし、感謝の念をもって交際し続ける。
           
          
          D神を第一とし、与えられた互いの才能を生かし、共にキリストを証しする。
           
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