「同労者」第58号(2004年8月)                 論説へ進む   目次に戻る

巻頭言
− 伝 道 説 教 − 
仙台聖泉キリスト教会  森田 心

「今、ご覧のとおり、主がこのことばをモーセに告げられた時からこのかた、イスラエルが荒野
を歩いた四十五年間、主は約束されたとおりに、私を生きながらえさせてくださいました。」(ヨシュ
ア記14:10)
 
 今月も5月に信徒説教の責務を果たすことが出来ました。今年この御用の中で、私はカレブ
を取り上げさせていただき、「約束」というタイトルを掲げ、メッセージをさせていただきました。
彼が40才の時、カデシュ・バルネアでの出来事の中で、主の約束を確かに捉え、その後45年
を経てヨシュアに語った信仰の告白を通して、彼は多くの困難の中にあっても、見失わずに約
束に立ち続けた事、聖書は彼について多くを記してはいませんが、それでも「彼は主に従い通
した」と6度も書かれていることから、カレブの主への全たき従順の姿を知ることが出来ます。
 私も40才になり、もういつまでも若いと言っていられない年令になってきました。若い時は、
ただがむしゃらに走っていたようなもので、時には息切れを起こしたりすることがあり、信仰者
としていつまでも勢いだけのようなものであってはいけないことを思わされます。現状の中だけ
に目を止めているような者であったり、目先の変化に対して一喜一憂しているような者ではな
く、神様の御旨を正しく捉えて生きる者とさせていただきたく願っています。そういう思いの中
で、私の心に示されている一つの言葉があります。それは私共の教会の主任牧師の著書「キ
リストの心」という説教集の中で語られている、「それは簡単なことではなく、すぐにできるもの
ではない・・。」という言葉です。
信仰をもって取り組みはじめてみるときに、何かと何かを簡単に結び合わせて理解したかのよ
うに思ってしまったり、すぐに結果(恵み)を求めてしまうような者ですが、一つ一つ与えられて
いる働きと訓練の中に身を置き続けていく中で、神の知恵、神の奥義としての知識を共有する
ことが出来るように、同じ価値を持ち、喜びを共有していくことの出来る教会の友と歩みを続け
ていきたく願います。そしてそこに続く次の世代も、教会が大切にし続けていることをつかみ取
り、そこに生きていくことを告白する者たちが与えられていくことを信じ、キリストの心を生きるも
のとさせていただきたく願います。

 「神には約束されたことを成就する力があることを堅く信じました。」(ローマ4:21)



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