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          (2) サタンの妨害(つづき)
           
          
          <クリスチャンの絶滅をはかる>
           
          
           サタンがキリストの再臨を妨げる働きとしてクリスチャンの絶滅をはかったのは、教会が誕生
           
          すると同時でした。その先兵を務めたのがタルソのサウロすなわち後の使徒パウロその人でし た。 
           以後、キリスト教徒への迫害が続きましたが、なかでもローマ帝国のネロ皇帝の時の迫害は
           
          特筆すべきものであったでしょう。サタンが迫害をもってクリスチャンを絶滅させようとしたもの と理解できます。 
           神のみ助けがあったからこそキリスト教そのものがいのちを保ったものでしょう。聖霊の豊か
           
          な助けを得て、キリスト教はかえって広まりました。 
          サタンは妨害の方策を変更し、迫害によってではなく教会の世俗化をはかりました。
           
          
          AD200年頃カトリック教会が成立しました。AD313年コンスタンティヌスによりミラノ勅令が発
           
          せられてローマ帝国におけるキリスト教の公認がなされ、395年にはローマ帝国の国教となり ました。以降教会は、国家権力と一体となり、世俗化が進みました。 
           一部の人々は、世俗化した教会を離れ、この世そのものとも離れて神に近く歩もうと試みまし
           
          た。それが修道院の始まりでした。しかし彼らの試みも成功しませんでした。神のことばに頼ら ず、人間の考えに従ったためです。 
          <聖書を封印する>
           
          
           カトリック教会は聖書をラテン語以外のことばに翻訳することを認めませんでした。そのため
           
          ごく一部のラテン語を学んだ人々以外にみことばに接することがなくなり、民衆はおろか多くの カトリックの僧侶たちも聖書にふれることがなくなってしまったのです。こうして聖書は封印され た書となり、救いに与ることの出来た人々はまれとなりました。そういう期間が1000年以上も 続いたことを考えれば、聖書が封印された時代がいかに長かったかが分かります。 
           ルターの宗教改革のとき、聖書がドイツ語に翻訳されて、ドイツ語圏の人々が自国語で聖書
           
          を読めるようになったことが、宗教改革の力になったことはよく知られています。 
          <他の宗教による妨害>
           
          
           サタンがとっている妨害策の一つは他の宗教を信じさせることです。マホメッド(AD570−6
           
          32)のはじめたイスラム教はその大きな勢力を持つ宗教のひとつです。彼の弟子たちはサラ セン帝国を建設してその版図を拡大し、パレスチナから小アジア、バルカン半島へとヨーロッ パの東側から進み、一方では北アフリカを通過してイベリヤ半島に達しヨーロッパを西側から 攻略しようとしました。 
           彼らは征服した民族に対して、剣すなわち死か、マホメット教(イスラム)を信ずるかをせまり
           
          ましたから、その勢力下に入った地域はイスラム教に改宗させられました。もしヨーロッパ全部 がサラセン帝国の支配下に入ったなら、ヨーロッパも今のイスラム教圏の国々のようになって いたことでしょう。そしてサタンのキリスト教絶滅の策が成功していたことでしょう。 
           東側でも西側でもヨーロッパの人々の軍が、サラセン軍に対して勝利し、ヨーロッパのイスラ
           
          ム化は阻止されました。 
          しかし、現在でもイスラム教は、アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにまたがってその
           
          勢力を保ち、その地方へのキリスト教の布教を厳しく拒んでいます。全世界にキリスト教が伝え られることを阻止しているのです。 
           キリスト教以外の宗教による妨害は、イスラム教だけではありません。
           
          
           インド人を主とするヒンズー教、インド、ビルマ、タイ、ベトナム、中国、日本などに広がってい
           
          る仏教も人々がキリスト教を信じることを妨害します。 
           なんでも神としてしまうので、あたかも無神論のように見える日本神道も、日本人の心に深く
           
          根をおろしており、キリストを受けいれさせない素地をつくっています。 
           多数の信者を持っている大きな宗教だけでなく、数多くの少数宗教が世界中に存在し、人が
           
          キリストを信じる妨害がなされています。 
          <宣教への妨害>
           
          
           イスラム教徒が、自分たちの数が多い場合それを国教として、キリスト教の布教を厳しく拒ん
           
          でいることは周知の事です。 
          日本にキリスト教が布教された時、厳しい迫害をもってそれが阻止されたことは、私たちのよく
           
          知っていることです。日本人は、今彼らの墓を建てていますが、その本質は、「忌わしいもの だ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは預言者の墓を建て、義人の記念碑を飾 って、『私たちが、先祖の時代に生きていたら、預言者たちの血を流すような仲間にはならなか っただろう。』と言います。こうして、預言者を殺した者たちの子孫だと、自分で証言していま す。」(マタイ23:29〜31)とイエスが言われた、パリサイと似ていて、民族の全体の流れとしては決 してキリストを受け入れようとはしません。 
          カトリック教会が、真の救いを得た人々を迫害し、それを絶滅させようとした歴史もぬぐい去る
           
          ことはできません。 
           サタンはあらゆる方策を尽くして、真にいのちをもったキリスト教、キリストによって人々が救
           
          いに与る、真の信仰を持っている人々が広がることを、阻止しようとし続けています。(以下次 号)  |