「同労者」第64号(2005年2月)      聖書研究に進む   目次に戻る   論説に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (5)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb7.htm#h71
又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




菖蒲、香水萱Acorus calamus
サトイモ科ショウブ属


出エジプト記30:23、 雅歌4:14、 イザヤ43:24参照
イザヤは新共同訳から香水萱となっている。その他エレミヤ6:20、エゼキエル27:19も同様
であるが、同じヘブライ語である。これらに対する植物としては幾つかの候補がある。一つは
サトイモ科の菖蒲である。原産地はペルシャから北インドであろうとされている。インドシナでは
菖蒲が結実するので、この辺りが原産地であろうとWeissは言っている。クムランから出土した
香料の分析でこのAcorus calmusが検出されている。
Zoharyはこのヘブライ語のkanehをGinger grassのCymbopogon martiniiなどのCymbopogon
spp.であるとしている。香りのある草で、古代、香水、化粧品、香料や薬品に使用され、中近東
にはインドや近隣諸国から輸入されていた。エジプトのファラオ20世と21世の墓が1881年
に開けられた時にCymbopogon schoenanthusのほのかな香りがしたということからも分かる。



聖書研究に進む   論説に戻る   目次に戻る   トップに戻る