「同労者」第68号(2005年6月)             論説に進む   目次に戻る

巻頭言
− 席 替 え − 
仙台聖泉キリスト教会  森田 心


 新しい年度になり、学校に通う人達にとっては学年が1つ上がったり、新しい学校に入った
り、少なからず環境の変化があると思います。そしてその新しいクラスになると席順が決めら
れます。
 私たちのの教会では、4月になると席替えがあります。一人一人座る席が決まっていて、第
一の誠実に礼拝堂の入り口の所に新しい席順表が貼られます。
 幼稚園までの子供達はお母さんかお父さんと一緒に座っていましたが、小学校1年生になる
と新しい聖書が与えられ、だいたい一番前の列の席に座るようになります。すると今までそこに
座っていた人が別の所へ、また新しく教会に来るようになった方も席が決められておりますが、
小さい子供が前で年長者が後ろの席というようにきまっているわけではなく、体が大きくなって
きているのにだんだん前の方へ行って今年中学3年になるうちの長男は、とうとう一番前の列
の席になりました。集会の中で先生が、「席が決まっている教会もめずらしいでしょうが、毎年
席替えをするのはきっと私達の教会ぐらいでしょう。」と。またこんなことも「席が変わるとまちが
えそうな方や変化に対応しにくいと思われる方はなるべく席を変えませんでした。」といっていま
した。私は席が変わりませんでした。前の方も隣の方も後ろの方も席が変わりましたが、私は
もう何年も同じ席です。でもこれはきっと私の席は、あなたがそこに座っていて欲しいと先生が
思っている特別な席なのかも・・。
 いずれにしても大切なことは、席の変わった人も、変わらなかった人も自分の席があることで
す。それはきっと自分の席を守ること、礼拝だけではなく祈祷会も伝道会も一つ一つの集会を
大切にすることを教えておられるのだと思います。時に集会に遅れて最後の方にかけ込むよう
に入っていっても、そこにはちゃんと自分の席があるのです。だから私は自分に与えてくださっ
た席を大切に、休まず教会に行こうと思います。
 また、席順表を見たときに1つ、2つ、3つ・・・空白の部分があります。そこは名前が書いてい
ない席です。この席もいつか満たされることが出来たらと思いました。それはただ人数が増え
ればよいという端的な思いではなく、そのことのために自らが担うべき教会の働きや守り続け
ていく大切なことを確認しながら、この新しい年度の歩みをなしていきたいと願っています。

「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい。」(ローマ12:15)
これは教会学校の進級式の時に、山本盡子先生が子供達に贈ったみことばです。



論説に進む      目次に戻る      トップに戻る