「同労者」第61号(2004年11月)  三浦綾子を読むに進む 目次に戻る  信仰良書に戻る

三浦綾子読書会

 三浦綾子読書会とは(6) − 
    東京ミレニアム・チャーチ 牧師  長谷川 与志充
 
 演劇・コーラス部門立ち上げの日に集まった人達は、今考えてみても神様の導きなしには考
えられないような人達ばかりでした。そこで集まった人達の多くは、かつて伝道劇団のようなも
のに属していた人達で、皆主のために演劇を通して伝道するという熱いビジョンを抱いていた
のです。
 その中で後程演劇「道ありき」の主人公三浦綾子さん役を演じることになった姉妹の証しは、
特に私に大きな励ましを与えるものでした。彼女はある劇団に入り、そこでの公演に向けて練
習をするようになったのですが、その劇は何と幽霊のようなものを題材とした作品だったそうで
す。そこで、彼女は自分の教会の牧師夫人と相談し、その劇団を辞める決意をしたのですが、
その時牧師夫人は「神様はきっと代わりに御心の劇団に出会わせて下さると思う。」とお話しし
て下さったそうです。すると、その劇団を辞めた後に、私達三浦綾子読書会で劇団員を募集し
ているという広告が目に入り、その瞬間「これが神様の答えだ!」と直感的にわかったというの
です。
 とにかく、クリスチャンで、かつ伝道のために演劇をしたいという人達が集まり、主の御名を
あがめさせてはいただいたのですが、その後ある重要な問題が依然としてあることに気付きま
した。それは、誰が演劇の脚本を書くかということでした。最悪の場合人を集めた責任上私が
やるしかないとも考えていたのですが、何と言っても素人の私のような者にとっては非常に困
難な事であるのは否みようのない事実でした。
 しかし、主の山にはやはり備えがあったのです。演劇で三浦綾子さんの恋人である前川正さ
ん役を演じた兄弟が、「私がやってみましょうか。」と申し出て下さったのです。彼が言うには、
今までも何度か脚本を書いてみたことがあるということでしたので、私はひとまず彼に書いてく
れるようお願いしてみることにしました。約2〜3週間後に彼が持って来た脚本は途中までのも
のでしたが、それを見た私は「これはいける!」と直感的に思いました。そこで、私は彼に最後
まで書き上げるようお願いし、その後ついに脚本「道ありき」は見事完成するに至ったのです。
 そしてもう一つ、最後の懸案事項があったのですが、それは練習場所の問題でした。経済的
な備えが十分であれば何の問題もないのですが、それが全くない中ではどうしようもない状況
だったのです。しかし、主の山にはやはり備えがあったのです。「銃口」を上演した青年劇場主
催のパーティーで知り合った三浦ファンでクリスチャンの方が、何とご自宅で演劇練習をするよ
う私に申し出て下さったのです。そして、新宿に近くて交通の便が良く、いつでも練習が可能
で、しかもただという、まさに最高の所が私達に提供されることになったのです。

 

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