「同労者」第62号(2004年12月)          JSF&OBの部屋に進む   目次に戻る 
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三浦綾子を読む
(7)
− 塩 狩 峠 −
東京ミレニアム・チャーチ 牧師  長谷川 与志充
 
 今号で取り上げさせていただいた「塩狩峠」は、言わずと知れた三浦綾子氏の代表作です
が、私自身にとっては三浦綾子氏の作品の中で最初に読んだ本であり、主を自らの救い主、
そして人生の主として受け入れるきっかけとなった本でもあります。
 この本の中で私がイエス様について知ったことは、以下の3つのことでした。
 まず第1は、イエス様が私の罪を赦して下さる方だということでした。
 この作品の中では主人公が自らの性欲や憎しみの問題で悩む様子が描かれていますが、こ
の本を読んだ中学3年生の私もちょうど同じ問題について悩んでいました。私はこの作品の中
でイエス様が十字架にかかって私の罪の身代わりとなって死んで下さったことを知り、主を私
の罪からの救い主として信じ受け入れることができたのです。
 そして第2は、イエス様が私の人生を導いて下さるお方だということでした。
 私は中学2年生の時、小学校時代からのいじめっ子達から解放されることができ、その後幸
せな人生が訪れるかと思いましたが、しばらくして私は決して幸せにはなっていない自分の存
在に気付きました。それは、自分がどう生きていったらいいかが全くわからない状態だったか
らです。
 そんな中で私はこの本を通して「彼らは何をしているのか自分でわからずにいるのです。」と
祈っておられる主を知ったのです。この祈りはまさに私のためにささげておられる祈りだと直感
しました。そして、こう祈っておられるお方はこれから私がどう生きていったらいいかもすべてご
存じのお方であることを確信し、私はこのお方を私の人生の主としてお迎えしたのです。
 最後に第3は、イエス・キリストが人知をはるかに超えた愛で私を愛して下さるお方だというこ
とでした。
 私には中学3年生の時とてもすばらしい先生との出会いがありました。その先生は当時流行
っていた金八先生のように私を本当に愛して下さった先生でした。私はある時先生の愛を試す
ために、先生に次のような質問をしたのです。「先生が1人だけを助けられる状況だったら、自
分の息子を助けますか。それとも、私を助けますか。」私は99パーセント「息子を助ける」とい
う答えだと思っていましたが、先生から返って来た答えはまさにその答えでした。その答えは当
然だと納得しながらも私の心はとても淋しい思いで満たされたのです。
 しかし、この「塩狩峠」の中で私は、私がまさに望んでいた愛で私を愛して下さったお方を知っ
たのです。それは神様でした。神様はその愛するひとり子イエス・キリストを十字架で犠牲とさ
れても、この私を救おうとして下さったのでした。
 このように「塩狩峠」を通して私は自らの救い主、人生の主に出会うことができました。あなた
もこの書を通してこのすばらしいお方に出会うことができますように。 

 
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