「同労者」第63号(2005年1月)      聖書研究に進む   目次に戻る   論説に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (4)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb6.htm#h6
又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




沈香、アロエAquilaria agallocha
ジンチョウゲ科ジンコウ属


常緑の高さ30m、幅1mにも及ぶような大木であるAquilaria agallochaを主とする植物から得ら
れる。この木はインド東部が原産地で、インド東部から東南アジアに分布する。木材が地中に
埋まって、長い年月で樹脂が浸出してできる香木が良質で、比重が重く水に沈むのでこの名
がある。人工的に樹木に傷をつけて、時にはそこに土を埋めて沈香をつくることもする。
樹皮は粗で柔らかく、外皮はコルク層が発達していて灰色で、内皮は淡黄褐色である。材は白
いが柔らかくて傷を受けやすく、そこに樹脂を含み香りを発する。精油に樹脂がとけたところは
黒っぽく硬化していてオレオレジンという。これを採取して焚香料とする。これを蒸留した精油
は高級香水に混ぜる。沈香はベンジルアセトン、高級アルコール、テルペンなどから成る樹脂
を約50%含む一方沈香と混同されているものにアロエがある。アロエは古代エジプトでも薬用
や死体処理に使用されていた。アロエはエジプトなどに多く育つのでそうかもしれない。Aloe
veraはバルバドスアロエと呼ばれ、花の色が黄色〜橙色の有茎種のアロエで、60cm〜1m
またはそれ以上に成長し、薬用や野菜とするために各国で栽培されている。原産地は南西ア
ラビアとされる。多肉性植物であるので、かなり遠方に長時間運んでも植えればつく。インドで
は沈香入りの香油は死体の防腐処理にも使用した。




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