写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
より掲載。詳細は同氏のホームページ
常緑の高さ30m、幅1mにも及ぶような大木であるAquilaria agallochaを主とする植物から得ら れる。この木はインド東部が原産地で、インド東部から東南アジアに分布する。木材が地中に 埋まって、長い年月で樹脂が浸出してできる香木が良質で、比重が重く水に沈むのでこの名 がある。人工的に樹木に傷をつけて、時にはそこに土を埋めて沈香をつくることもする。 樹皮は粗で柔らかく、外皮はコルク層が発達していて灰色で、内皮は淡黄褐色である。材は白 いが柔らかくて傷を受けやすく、そこに樹脂を含み香りを発する。精油に樹脂がとけたところは 黒っぽく硬化していてオレオレジンという。これを採取して焚香料とする。これを蒸留した精油 は高級香水に混ぜる。沈香はベンジルアセトン、高級アルコール、テルペンなどから成る樹脂 を約50%含む一方沈香と混同されているものにアロエがある。アロエは古代エジプトでも薬用 や死体処理に使用されていた。アロエはエジプトなどに多く育つのでそうかもしれない。Aloe veraはバルバドスアロエと呼ばれ、花の色が黄色〜橙色の有茎種のアロエで、60cm〜1m またはそれ以上に成長し、薬用や野菜とするために各国で栽培されている。原産地は南西ア ラビアとされる。多肉性植物であるので、かなり遠方に長時間運んでも植えればつく。インドで は沈香入りの香油は死体の防腐処理にも使用した。 |