「同労者」第68号(2005年6月)  
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ショートコラム ねだ
− 金 属 の 話 −

 金属の話といっても、鉄骨材の談合事件をとりあげようというのではない。体に取り込む金属
の話である。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、・・こういった金属元
素の類について、減らせとか、食べろとか議論がつきない。ずっと前のことであるが、勤め先
の会社に産業医がやってきて公演をしたことがあり、その中でこんな話をしていた。「仁丹を食
べ過ぎて、体中に銀が蓄積した人がいたが、全くなんでもない」と。なんかの折りに、出入りの
会社の人にその話をしたら、怪訝(けげん)な顔をされた。仁丹に銀なんて使われていないとい
う顔であった。確かめるほどの重要事でもないがなんとなく気になる。最近になって、なんでも
調べものはインターネットである。そこで仁丹の銀色を探してみた。見つかった記事は全部、仁
丹の銀色は金属の銀Agであるというものばかりである。試しに仁丹を水にいれておいたら、表
面の銀色片がひらひらといつまでも残って、融けることはない。とまあそのぐらいにしておこう。
もしもこんな話からどうしても気になる人がいたら、森下仁丹に直接聞くべし。
 金銀は体にたくさん入っても害がないらしい。だが銅はたくさん体にはいると病気になる。知
人のご子息が体から銅が排泄されないで体内に蓄積するメンケス病という病気であるそうだ。
銅の場合、「過ぎたるはなお及ばざるが如し」であって多すぎると病気になるが、これは体内に
必用な金属であって、不足するとまた病気になるのである。よく知られているのは、銅とコバル
トが貧血と関係していることである。鉄は血液中の酸素輸送の主役であるヘモグロビンの構成
元素であるため、貧血には鉄の不足が最も重要な点ではあるが、銅とコバルトが造血作用に
欠かせないのである。
 金属と人体の関係についていろいろ調べられているが、興味深いことは害があるから除け、
とされている多くの金属が人体に必須との研究結果である。つまり、鉛、ヒ素、水銀、カドミウ
ム、マンガン、錫、ストロンチウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、リチウム、セレン、ゲルマ
ニウム、バナジウム、ビスマス、モリブデン、フッ素、珪素、・・こういったものがすべて体内に微
量にあることが、必用なのだそうだ。これらが足りないとどうなり多いとどうなるといったことや、
カルシウムとマグネシウムが1:1存在すると動脈硬化が抑止される、この比からのずれと寿
命とに明確な相関がある、アルミニウムが多いとアルツハイマー病、といった調査結果が示さ
れている。まあこんなことは仁丹の銀色同様、知識の片隅で結構。普通の食事を偏食せずに
食べていれば問題ないことであろう。

 そんなことより、「みことば」不足病の人はいても、摂りすぎ病の人はいなそう。みことばの摂
取を・・。
 


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