聖書の植物
— 畑の植物から —
写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2005feild2.htm#f7
又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。
(今回は写真がありません。)
にんにく Allium sativum
ユリ科ネギ属
shum,shumim(複数形として一回出てくる)
garlic
誰か肉を食べさせてくれないものか。エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回してもマナばかりで、何もない。
(民数記11:4〜6)
日本ではオオニンニク、オオビルなどと呼ばれている。多年生植物で地下に数個ないし十数個の鱗片を放射状に着生している。BC2000年以前から栽培されていることがいろいろの発掘により明らかになっているし、BC3000年の楔形文字の処方がある。エジプトの他メソポタミア、イラクなどでも見つかっている。BC1600年エジプトでピラミッド建設労働者が玉葱とにんにくが少ないことで暴動を起こしている。当時はアメーバ赤痢の予防にもなっていた。精油0.1〜0.3%を含み、その主成分はアリシンでにんにくのにおいのもとになっている。その他ビタミンA,B,C,ニコチン酸アミド、女性ホルモン様物質、サポニンなどを含んでいる。にんにくの臭気のもとAllicinは皮膚と肺から排泄される。そこでにんにくを食べると臭くなる。にんにくは強い抗バクテリア作用があるが、これは長期保存で著しく減少する。アリシンは100度以下の油の中で加熱するとアホエンというにおいの少ない物質に変化し、その有効性は変わらない。