同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 茨の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

キリストイバラ
Ziziphus spina-christi
クロウメモドキ科ナツメ属

 ヘブライ語でアタドゥと書かれているところについて、このキリストイバラであろうとする人がいる。
 キリストイバラはアフリカから来た熱帯の木で、葉は楕円形で歯状葉、長さ3~5cm、幅2cm位である。夏に緑黄色の匂いの強い小さな花をつけ、やがて小さな実がなる。果実は初めは青くて酸っぱいが、やがてオレンジから赤色になり甘くなるが水分が無くなってくる。キリストイバラは大きな木で、枝が垂れ下がりよい木陰をつくる。羊飼いたちの格好な休息の場所になるし、若芽は羊や家畜の飼料になる。ハンモックを吊るしたり、何かをかけるのにも役立つ。キリストイバラは、キリストが受難の時にかぶった茨の冠の材料となったとする説により、このラテン名がつけられている。確かにキリストイバラは冠をつくるのには枝が長いのでつくりやすい。しかし、現在のエルサレムには見かけない。キリストの受難の当時エルサレムに沢山のキリストイバラが自生していて、兵士たちが容易に冠をつくることが出来たという証拠はどこにもない。しかし、冠の一つの候補であることには間違いないであろう。

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