同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 畑の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2005feild2.htm#f4

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。
(今回は写真がありません。)

きゅうり—>メロンCucumis melo(マクワウリ、シロウリ)
ウリ科キュウリ属
kishuah、mikushah melon

誰か肉を食べさせてくれないものか。エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回してもマナばかりで、何もない。
(民数記11:4〜6)

民数記もイザヤ書の記載もきゅうりと翻訳されているが、メロンである。またエレミヤ10:5にもある。西南アジア、エジプト辺りでかなり早い時期から栽培されはじめたものであろう。甘い種類がmelon, muskmelonで、甘くない種類がchate melon(Cucumis chate, Cucumis melo var.chate)である。後者は今日では珍しいものになっているが、曲がった細長い形をしていて、きゅうりのように使用された。栽培種の先祖は熱帯および亜熱帯アジアおよびアフリカに自生している。さらに乾燥に適した品種Cucumis callosusは中央アジアおよび近東に自生し、西アジアや地中海沿いのメロンに近い性質を持っている。Cucumis chateはエジプトの幾つかの墓の装飾になっている。
現在のきゅうりCucumis sativusは上記のメロンと起源が異なる。原産地はヒマラヤとその東の近接地で、多分インド北部で栽培され、それからかなりして地中海沿いでも栽培されるようになったと考えられる。ギリシャ、ローマ時代には既に栽培されていたようであるが、聖書の時代にはエジプトに存在していなかったとされている。

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