同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 畑の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2005feild2.htm#f10

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。
(今回は写真がありません。)

レンズ豆Lens culinaris
マメ科ヒラマメ属
adashim複数形として使われている
lentil

ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えた。エサウは飲み食いしたあげく立ち、去っていった。こうしてエサウは、長子の権利を軽んじた。
(創世記 25:34)

レンズ豆は聖書時代に重要な農作物だった。レンズ豆の化石は青銅期のものがある。シリア、イラン、ギリシャなどでB.C.5000年前後のものが発見されている。現在イスラエルに野生のレンズ豆はあるが、これらは多分栽培種が野性化したものであろう。レンズ豆の先祖はD.Zoharyによってイスラエル近辺に自生しているLens orientalisとされている。レンズ豆の記載は聖書で創世記の他、エゼキエル4章9節、サムエル下17章28~29節、サムエル下23章11節などにある。このうちエゼキエル書ではひら豆(口語訳と新改訳はレンズ豆)と訳されているが、ヘブライ語は同じであるので、レンズ豆と考えられる。これらの聖書引用箇所からも分かるが、レンズ豆は農作物として古来からごく普通に作られていた。さて、創世記のエサウが長子権を譲ってまで食べたかったレンズ豆の煮物とはどのようなものであったのだろうか。 皮を剥いた赤いレンズ豆を使っていろいろ工夫してみたが、レンズ豆の煮込んだものは薄茶色のようにはなるが、赤くはない。赤ワインで煮てもそれ程赤は残らない。ヘブライ語で赤をアドムと言い、土は赤土なのでアダマーと言う。しかし赤土といっても決して赤ではない。この土の色だと思えはレンズ豆の煮物の色も納得できる。

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