同労者

キリスト教—信徒の志す—

ショートコラムねだ

— 和太鼓バレエ —

 パリ国立オペラ座で、和太鼓の演奏で踊るバレエ「輝夜姫(かぐやひめ)」が喝采をうけたそうである。テレビでそのほんの一部をニュースとして見せられたが、なるほどこれはいい、と思わされた。次はブロードウェイでも演奏されるとか。
 バレエといえば、バックは管弦楽と相場が決まっていた。そこに日本の和太鼓を入れ、西洋のドラムも入って魅力ある演奏が繰り広げられた。
 和太鼓は腹の底に響いてくるような低音であって、その通り腹の底に響く魅力がある。
 日本の楽器といえば、梵鐘、半鐘も実によい音色である。もともとは中国からならったものであろうが、日本の工人たちはその繊細さをもって素晴らしい音色の鐘を造りだした。
 ドレミの音階にあせた半鐘を並べて打てば、きっとメロディーを奏でることが出来るよい楽器になるに違いないなどと思うのである。ベースは梵鐘で。
 思いはさらに広がる。和太鼓も鐘も神をたたえる楽器にならないものか、と。

 しかし、いつであったか、雅楽の楽器で讃美歌の演奏がなされたのを聞いたが、どうしても神社のイメージが払拭できなかった。
 梵鐘では「教会の鐘がゴーン」と聞こえるだろうか。当面は同様に「お寺の鐘がゴーン」といったイメージが抜けないことであろう。

 「あたらしい讃美歌」が模索されているようである。歌詞と曲だけでなく、このような、楽器の領域も新しくならないものか。パイプ・オルガンの雰囲気だけが、キリスト教音楽ではあるまい。
 ドラムやエレキ楽器にはもうすっかり慣れたが、和太鼓や鐘が教会音楽になるのはいつの日のことであろうか。

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