同労者

キリスト教—信徒の志す—

読者の広場 <短歌>

— 函館ハリストス教会(一) 空と丸屋根(クーポラ) —

鈴木 健一

 函館の岡に登ってハリストス教会を見て、何か懐かしい気持ちになりました。確かにエキゾチックではあるのですが、他国の宗教施設といった感じがしないのです。
 函館のハリストス教会は、開港の頃ロシアからやってきた宣教師のニコライによって始められました。東京のお茶ノ水にある有名なニコライ聖堂の、あのニコライです。日本ではロシア正教の信徒の人数はあまり多くないようですが、静かなそして確かなクリスチャン生活を送っている人たちです。私の友人に二人の信徒がいますが、二人とも尊敬すべきキリスト者です。
 今ではこの光景が、開港百五十年のわが国の一部であり、宣教百五十年の現在のプロテスタントのキリスト者である私の一部でもある、といった風になっているのに気づきました。

大屋根の 五つの塔の クーポラの
緑青(ろくしょう)映ゆる
ロシアの教会

葱坊主(ねぎぼうず)の クーポラ珍ら ロシア風
なれども何故か
懐かしく思ふ

函館の 空に
クーポラ よくなじむ
開港より 百五十年を経たり

(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)

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