同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 畑の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2005feild2.htm#f10

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。
(今回は写真がありません。)

ひよこ豆Cicer arietinum
マメ科ヒヨコマメ属
hamitz
fodder, chick-pea

地を耕す牛やろばは ふるいや箕でえり分け 発酵させた飼葉を食べる。
(イザヤ30:24)

アンダーラインの「醗酵させた飼葉」に当る語にhamitzが含まれている。ひよこ豆のことをアラビヤ語でhumusというし、現在ヘブライ語でひよこ豆をhumusという。このかなり近縁種はトルコとその周辺に自生しているので、ひよこ豆はこの地方を中心に栽培が始められたのであろう。実際に青銅期初期のものが遺跡から発見されている。
ひよこ豆は高さ30cm強の一年草で、茎、葉ともに細毛がある。花は1cm位で、白、ピンク、ブルーなどがあり、豆果は長さ1〜2cmで、膨大し、中に1〜2個の種子がある。豆は径1cm位であるが、1個の突起がありそれがひよこのように見えるのでこの名前がついた。トルコ周辺から広がった可能性が強いが、今ではインドから地中海にかけてやメキシコ、カリフォルニアなどで栽培されている。中東ではこのひよこ豆にレモン、白胡麻のペースト(テヒナー)、クリーム、ガーリック、クミン、塩、コショウ、その他を入れたフムスと呼ばれるものは聖地では何処に行ってもあり、ピタを食べる時に必ずついてくる。家庭によってまた地方によって作り方には多少の違いがあるが、中東のアラブ人もユダヤ人も好んで食べるものである。またひよこ豆を水に浸けてよくすり潰したものにパン粉、ニンニク、パセリのみじんぎり、クミン、コリアンダー、コショウなどを加えてだんごにして油で揚げたものはファラフェルと呼ばれ、栄養価の高い日常食になっている。ひよこ豆も、エンドウ豆(Pisum sativum)もイスラエルにはかなり以前、聖書時代以前からあるし、また野生種のエンドウ(Pisum syriacum—>Pisum sativum)も自生しているが、聖書には植物としては記載されていない。

Valid XHTML 1.0 Strict