読者の広場 <短歌>
— 老ひ(2) —
鈴木 健一
大病をしたり、年をとったりして学んだことは、「謙遜」でした。謙遜は、キリスト者の必修の徳であることはわかっていても、現実に弱さの中におかれ、人に頼らなければ生きられないような体験をしないと、なかなか学べないものだということを知りました。柔和でしかも毅然とした、愛される老人になれないのです。エペソ、ピリピ、コロサイ、ピレモンなどの書簡は獄中書簡ともいわれ、60歳を超えたパウロが牢獄の中で鎖で番兵とつながれながら書いたものだそうです。その中でパウロが「謙遜」を勧め、自ら身を低くしているのが見られます。そんな聖書の学びの中でのスナップです。
老ひ一人じっと浸(ひた)れる熱き風呂
入るをためらふ 頑固も良けれど
われも斯(か)く片意地はりて生き来しか 熱き湯船に老ひが睨(にら)みおる
いたわりを素直に受けむ 化粧(けしょう)濃き 女子高校生に座席譲らる
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(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)