同労者

キリスト教—信徒の志す—

読者の広場 <短歌>

— 老ひ(3) —

鈴木 健一

 私の住んでいるところは高さ6メートルほどの台地で、坂を下ると「沼地」と呼ばれる最近まで美田であった幅30メートル程の湿地帯が、浦和まで続いています。その両脇を見沼代用水と芝川が流れ、間はいまでは公園になっています。散歩に絶好で毎日歩いていますと、39年間の教師生活で溜まりに溜まったストレスが少しずつほぐれてくるようです。
 ストレスの溜まる社会に生きるということは、クリスチャンもノンクリスチャンの方と同じで、神様に従ってそこをどう通り抜けるかが課題です。祈りのなかで老後を迎えられたことに感謝しています。
 二首めの歌の「学校の始業チャイム」は、教師であった私にとっては仕事を思い出す「時の徴」であり、プラス・マイナス両面をもつ微妙な象徴です。
うらうらら土手の草ふむ心地よし
仕事退(しりぞ)き三度(みたび)目の春

菜の花の匂う畑(はた)なか
学校の始業のチャイムが遠く聞こゆる

林立(りんりつ)せるアンテナ透(す)けて空青し
凝(こ)りし苛立ち(ストレス)解けぬでもなし
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)

Valid XHTML 1.0 Strict