第268号
2022年 2月
・・・ 表紙の写真はサフラン ・・・
許可を得て掲載した聖書の植物のひとつです。
「われはシャロンの野花 谷の百合花(ゆり)なり」(文語訳 雅歌2:1)
この「われ」はだれか。「王」と解釈するひとびとと「花嫁」と解釈する人々がいます。
もともと聖書の一人称「われ」はひとつのことばで翻訳者が解釈して変えています。
ですから英語では「I(アイ)」だけであるように日本語でも一人称は一つだとよかった
のですが。そうすれば解釈を読む人に委ねることになります。
この「シャロンの野花」は何か。訳により色々です。
King James V. ばら。 New International V. ばら(恐らくクロッカスの仲間と註)。
日本聖書協会訳 サフラン。
リビングバイブル サフラン。
新改訳1-3版 サフラン。 2017版 ばら。
新共同訳 ばら。
我が友に在(ま)す贖い主 イエス君の麗わしさは
谷間の百合か明けの星か 比べうるものはあらじ
悩める時の近き助け 悲しき日の慰め
君は明けの星 谷間の百合 比べうるものはあらじ (インマヌエル讃美歌 47)
「(君は)谷間の百合」は、谷間の百合を王をさす言葉としています。
(花嫁は「いばらの中のゆりの花」(雅歌2:2)で、王がそう言いました。
「君は明の星」というのは、
「わたし、イエスは御使いを遣わして、諸教会について、これらのことをあなたがた
にあかしした。わたしはダビデの根、また子孫、輝く明けの明星である。」
(黙示録 22:16)にイエスがご自分で「わたしは明けの明星である」といわれている
ことを歌ったものです。
「比べうるものはあらじ」は、
「あなたの愛する方は、ほかの愛人より 何がすぐれているのですか。 私の愛する方
は、輝いて、赤く、万人よりすぐれ、その頭は純金です。」(雅歌5:9-10)のことです。
(原詩には雅歌のことばがそのまま入っています。)