読者の広場　＜短歌＞

—　祈祷会の風景（１）　—

鈴木　健一

　三年前に退職してから、水曜日の午前中の祈祷会に出席するようになりました。１０数人の集まりですが、主牧ご夫妻を中心にして、教会のために熱心に祈ります。１２時頃終わると、可能な者たちで会堂の清掃をし、一緒にうどんを食べます。まさに使徒の時代の「交わりをし、パンを裂き、祈りをしていた。」（使徒２：４２）と同じです。
　交わりの中で、普段聞けない兄弟姉妹の声が聞こえます。その大きなものは病の苦しみです。

鎖骨折り入院せし老萩本さんの 見えぬ祈祷会三月目に入る 前立腺炎を悩むと小声にて言う友 昨夏は帯状疱疹（たいじょうほうしん） 夫（つま）が癌と告げて淀（よど）むや 祈る他すべなし　息子さんは中学一年