同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 聖書の樹木から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

レバノン杉
Cedrus libani
マツ科ヒマラヤスギ属


 レバノン杉も、シドン人とティルス人が大量にダビデのもとに運んで来たので、その数は分からなかった。(歴代誌上22:4)

 ティルスの王ヒラムはダビデのもとに使節を派遣し、レバノン杉、木工、石工を送って来た。彼らはダビデの王宮を建てた。ダビデは、主が彼をイスラエルの王として揺るぎないものとされ、主の民イスラエルのために彼の王権を高めてくださったことを悟った。(サムエル下5:11~12)

 レバノン杉は石の多い高さ1400~1800m位の高地に生えている。この高度の気候はイスラエルの気候とは大分異なる。実際にレバノン杉の分布はイスラエルとレバノンの国境を越えたことがないと言われている。樹齢の高いものになると高さ30m、直径2m以上になることもある常緑樹で、樹齢2000~3000年のものもある。円錐形の樹形で、枝は水平に茂り、短い青みがかった緑色の針状葉を密に束生する。雌球花と雄球花は別々の枝につき、雌花はやがて種子を上部につけた沢山の果鱗を持った球果になり、成熟すると果鱗が一枚一枚種と共に剥がれて落ちる。ピラミッド形の堂々とした姿は、力、高さ、栄光、富のシンボルのようなものであった。ことに冬にこの杉が雪を被ると見事である。ところが、ダビデ、ソロモンに始まって、アッシリアの王、バビロンのネブカドネツァル王、第二神殿の建設、さらには近隣諸国からの伐採により、今ではかつて豊かであったレバノン杉の森も数少なくなってきている。自然破壊は既に聖書時代から始まっていたのである。

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