同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 畑の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

メロン——>スイカ
Citrullus



 誰か肉を食べさせてくれないものか。エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回してもマナばかりで、何もない。(民数記11:4〜6)

 聖書にはここにだけ述べられているが、ナイルの谷でBC2000年に栽培されていたことが証明されている。その他の所でもかなり以前から栽培されていたようである。果肉は白から赤で、切れ込んだ葉がある。野生の先祖は恐らくコロシントウリCitrullus colocynthisであろう。コロシントウリは多年草で、実は比較的小さく5〜8cmの直径である。中はスポンジ様で苦い。北アフリカ、西アジア、中東の砂漠や半砂漠の砂地に自生し、下剤としての作用があり、乾果を用いる。遊牧民たちが集めている。種子は加工によっては食用になりうる。(コロシントウリ参照)
 スイカの黒い種は果実全体に広がり、種子も食用にしていた。エジプトの墓から見つかっている。その後地中海沿岸、中東、中央アジア、ヨーロッパ、アメリカ、中国と伝えられ、現在熱帯から温帯で広く栽培されている。高温多湿を好む。果肉の90%以上が水分で、糖質7.9%、リンゴ酸、アルギン酸などを含む。スイカの色はリコピンやカロチノイドである。スイカの種子は20%以上の脂質と50%以上の蛋白質、フィトステロール、ウレアーゼなどが含まれている。果肉は利尿作用があり、果汁を濃縮したものは腎臓障害の時に利用できる。