同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書研究

— 万人祭司・万人予言者・万人王(第96回) —

野澤 睦雄

・・クリスチャンはみな預言者である。みな祭司である。また王である。キリストにあって、神は私たちを一体とし、そして王位に着けられた。
・・ C.E.ジェファソン(「教会の建設」から引用)

4.おわりに(つづき)

  何度繰り返したでしょう。
「キリストは教会のかしら」、「教会はキリストのからだ」であって、かしらであるキリストは祭司、預言者、王です。ですからからだであるキリスト者はみな祭司、預言者、王です。
 イエス・キリストは良い牧者、私たちはキリストに牧される羊でもあります。イエスは真のぶどうの木、私たちは枝です。
 「祭司、預言者、王」という視点と、「羊」、「ぶどう」という視点では、何が異なるでしょう。「羊」は牧草を与えられ、外敵からの保護受け、いこいの場を与えられ・・というように、羊飼いに養っていただくイメージが強くでます。「ぶどう」は、幹であるイエスからいのちの供給受ける、もし実を結べというご命令を意識しないならば、これも受けるイメージが強いのです。一方、「祭司、預言者、王」は働きです。イエスのなさりたいことを、その手足となって実行する役目です。
 万人祭司、万人預言者、万人王というのは、流行っていません。その理由は、人は与えていただくことを好んで、与えることを好まないのが世の常です。それで自分は「主の牧場の羊です」、ということを好んで、主の手足の「祭司、預言者、王」ですと言わないのかも知れません。 もうひとつ、これも以前述べたように、自分の実態が、祭司、預言者、王というにはあまりにも、不足であるからでしょう。
 だが、もし私たちがその働きをしないならば、イエス・キリストはこの世に対して、その働きをなさることがおできなりません。イエス・キリストは私たちを通して、世に対してお働きになるのですから。 そのために、私たちにできることは、献身です。神が私たちの献身に応じて私たちに「いのち」と「光」をお与えになり、私たちを訓練して、その働きに必要なものを私たちの内にお与えになります。
 宗教改革の時に、万人祭司ということばが、衆人の知るところとなりました。今、キリスト者の間に、「万人祭司、万人預言者、万人王」としてもう一度認識され、イエス・キリストのために献身し、働く人々が起こされますように。

(完)
(仙台聖泉キリスト教会員)