同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 畑の植物から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

アマ科アマ属
pishtahlinen
(布として)flax



 亜麻と大麦は壊滅した。大麦はちょう ど穂の出る時期で、亜麻はつぼみの開く時期であったからである。(出エジプト記9:31)

亜麻について書いてあるところは75箇所に及ぶが上記の箇所を除いては亜麻糸か亜麻布を述べている。新約聖書では殆どがイエスの遺体を包んで亜麻布として述べられている。古代に於いては盛んに栽培されていた植物で、亜麻は繊維としてだけでなく種子のオイルの為にも栽培している。しかし聖書時代やそれ以前は繊維としての植物であった。中東での栽培はB.C.5000年頃からであろう。イスラエルは亜麻の発祥の地ではなかろうかとされている。今でも栽培種の亜麻の先祖Linum bienneがある。栽培亜麻は草丈50cm位の一年草で、真っ直ぐに伸びた茎は上の方で分かれている。葉は細長く、小さな花はブルー、5枚の花弁、蕚と雄蕊があり、長い子房が1つある。果実は球状のカプセルで、この中に油に富んだ種子がある。亜麻の種子は亜麻仁と言われ、慢性の便秘治療によい潤滑剤である。種子の中には5~6%の粘液、30~40%の脂肪油などが含まれているのでこのような作用があるのであろう。アマニからとった亜麻仁油は不飽和度が高いリノール酸やリノレン酸を多く含むので、乾燥性が大きく、ペイント、印刷用インキ、ワニス、軟膏などに使用される。最近では亜麻仁油は、αリノレン酸を含むので健康食品に見直されてきている。亜麻から採った繊維から亜麻布が作られ、聖書時代には羊毛とともに貴重な繊維として珍重っされたが、木綿の出現で使用が減少してしまった。茎の皮を剥いで繊維はつくられる。