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キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 聖書の樹木から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

アレッポマツ
Pinus halpensis
マツ科マツ属


(下のオリーブと訳されている語は、アレッポ松の可能性もあるというのが廣部氏の説明です。)

 ソロモンはオリーブ材で二体のケルビムを作り、内陣に据えた。その高さは十アンマであった。(列王記上6:23)

 ソロモンは内陣の入り口にオリーブ材の扉を付けた。壁柱と門柱は五角形であった。(列王記上6:31)

 これを知らせ、エルサレムとすべての町に次のような布告を出さなければならない。「山に行き、オリーブの枝、野生オリーブの枝、ミルトスの枝、なつめやしの枝、その他の葉の多い 木の枝を取って来て、書き記されているとおりに仮庵を作りなさい。」(ネヘミヤ8:15)

 荒れ野に杉やアカシヤを ミルトスやオリーブの木を植え 荒れ地に糸杉、樅、つげの木を共に茂らせる。(イザヤ41:19)

 その他列王記上6: 33にもヘブライ語で油の木を意味する言葉になっている。現在クルドにあるユダヤ人の村ではアレッポマツと同じ仲間のマツPinus brutiaをエツ シェメン(ヘブライ語で油の木の意味)という名で呼んでいるのでZoharyはこれらの箇所はアレッポマツと訳す方がよいといっている。ネヘミヤとイザヤのところはその可能性がある。しかし列王記の記載はすべて扉とか像をつくるためで、オリーブの可能性も残っている。同定の難しい言葉である。
 アレッポマツはかつて聖地にかなり沢山自生していた。今でも石灰岩やレジナ土の所に自生しているし、植林もされている。大きくなると20mにもなり、樹齢も100~150年になる。光を好み、枝を水平に伸ばすが、上の枝が覆い被さると下枝は枯れてしまう。2対の針状葉が集まった常緑樹で、花は松かさの中にあり、雄花は低い枝に、雌花は高い枝に生える。黄色いほこりのような花粉が風で飛び散り、受粉する。受粉後実が出来るまでに15月かかる。長い翼のついた種は熟すと松かさが開いて出る。地中海性の松でアフリカ北部にも自生する。

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