第283号
2023年 5月
・・・ 表紙の写真はイスラエルの香料植物 ヒソプ ・・・
廣部千恵子氏の許可を得て掲載した聖書の植物のひとつです。
「そこで、モーセはイスラエルの長老たちをみな呼び寄せて言った。「あなたがたの
家族のために羊を、ためらうことなく、取り、過越のいけにえとしてほふりなさい。
ヒソプの一束を取って、鉢の中の血に浸し、その鉢の中の血をかもいと二本の門柱に
つけなさい。朝まで、だれも家の戸口から外に出てはならない。
主がエジプトを打つために行き巡られ、かもいと二本の門柱にある血をご覧になれば、
主はその戸口を過ぎ越され、滅ぼす者があなたがたの家に入って、打つことがないよう
にされる。」(出エジプト記 12:21-23)
過越の子羊の血を家の門のかもいと門柱に塗るときヒソプが使われました。これは
「赦し」を示します。神が裁かずに通り過ぎますから過越です。
「ツァラアトに冒された者がきよめられるときのおしえは次のとおりでなければならな
い。彼を祭司のところに連れて来る。祭司は宿営の外に出て行き、調べて、もしツァラ
アトの者のツァラアトの患部がいやされているなら、祭司はそのきよめられる者のため
に、二羽の生きているきよい小鳥と、杉の木と緋色の撚り糸とヒソプを取り寄せるよう
命じる。祭司は、土の器に入れた湧き水の上で、その小鳥のうちの一羽をほふるよう命
じる。生きている小鳥を、杉の木と緋色の撚り糸とヒソプといっしょに取り、湧き水の
上でほふった小鳥の血の中に、その生きている小鳥といっしょにそれらを浸す。それを、
ツァラアトからきよめられる者の上に七たび振りかけて、彼をきよいと宣言し、さらに
その生きている小鳥を野に放す。・・・」(レビ記 14:2-7)
ツァラアトは「罪性」の象徴です。ですから、病気のように「癒やす」、また個々の
「罪」のように「赦す」と言わないで「きよめる」と言います。その儀式にヒソプが使
われました。
「この後、イエスは、すべてのことが完了したのを知って、聖書が成就するために、「わ
たしは渇く」と言われた。・・・そこで彼らは、酸いぶどう酒を含んだ海綿をヒソプの枝
につけて、それをイエスの口もとに差し出した。イエスは、酸いぶどう酒を受けられると、
「完了した」と言われた。」(ヨハネ 19:28-30)
イエスの十字架上の贖いの完了にヒソプが使われました。この酸いぶどう酒は没薬が混
ぜられたものです。イエスの贖いは「赦し」と「きよめ」を完了しました。