同労者

キリスト教—信徒の志す—

第274号

2022年 8月

表紙写真

・・・  表紙の写真はイスラエルの野の花 ヒヤシンス  ・・・
廣部千恵子氏の許可を得て掲載した聖書の植物のひとつで、
これが「谷の百合」だと考える人もいると解説されています。


  • http://dorosya.net/028/syokubutu.html



  • 「われはシャロンの野花 谷の百合花(ゆり)なり」(文語訳 雅歌2:1)        

    このことばにある「シャロン」はシャロン平野でしょうけれども、「谷」は「ヨルダンの渓谷
    なのではありませんか?  シャロンに注意を引きつけられて両方ともシャロンに咲く花と思
    いがちです。ヨルダンなら百合がたくさん咲いていることでしょう。           
    このヒヤシンスは、現在はゴラン高原とガリラヤの谷にあるそうです。          

    登場人物の王はソロモンと特定されています。(雅歌3:7,9,11)              
    しかし、花嫁は特定されていません。それでこのことにも議論が巻き起こります。     
    そのひとつが、ダビデの最後の妻アビシャグだという説です。アビシャグは、       
    「ダビデ王は年を重ねて老人になっていた。それで夜着をいくら着せても暖まらなかった。 
    そこで、彼の家来たちは彼に言った。「王さまのためにひとりの若い処女を捜して来て、王さ 
    まにはべらせ、王さまの世話をさせ、あなたのふところに寝させ、王さまを暖めるようにいたし
    ましょう。」こうして、彼らは、イスラエルの国中に美しい娘を捜し求め、シュネム人の女アビ
    シャグを見つけて、王のもとに連れて来た。 この娘は非常に美しかった。」(列王記Ⅰ1:1-4)
    ダビデが死んだ後、アドニヤがバテ・シェバに仲介を頼んでソロモン王に「アビシャグを妻にし
    たい」と言い出したら、ソロモンは「父の妻を妻としたいとは、とんでもないこと」と、アドニ
    ヤを即刻死刑にしました。ですから、いくらソロモンが血迷ったとしても、自分がアビシャグを
    妻にするなどということはないでしょう。                        
    しかし、ひとはいくらでも勘ぐります。アドニヤを死刑にしたのは、自分がアビシャグを欲し 
    かったからだといいだします。                             
    しかしこのときのソロモンはまだ、若く、力があり、采配もしっかりしていた時ですから、  
    「そんな馬鹿な」といいたくなります。                         
      雅歌の娘も、                                   
    「女のなかで最も美しい人よ。」(雅歌 1:8, 5:9, 6:1)                  
    と言われています。