同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

~ 神の導きを信じて ~

齊藤 恵一

「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。」 (マタイ 5:2)

 2014年冬の時期だったのですが、不思議な体験をしました。
当時私はとても思い悩んでいました。それは、26歳という若さゆえの仕事の忙しさと自分自身それでもお金も地位も世の中的な物はほとんど何も持っていない虚しさを覚え、当時奮発して買った冬用のコートも2週間ほどで他の人にあげる事になったり、何だか虚しい気持ちが積み重なっていました。
そんな時のある仕事帰りにCDショップで歌手の倉木麻衣さんの15周年記念コンサートのポスターを発見しました。子どもの頃は聞くことはありましたが、ファンでもなんでもありませんでしたし、特に好きな曲があるわけではなかったのですが、なぜかこのコンサートに行かなくてはという意思が芽生えました。
当時はもうお金もありませんでしたし、仕事の忙しさから時間的な余裕もありませんでしたし、コンサートが開かれるのは東京の日本武道館という事でいつもの私なら絶対行くはずがないのですが、まず、母親にコンサートを見に行きたいからお金を貸してください。と言ったら、いつも頑張っているから良いよとチケット代と新幹線代の半分を出してくれました。土曜日に開かれるので、金曜日に会社に休みを取らしてもらって前日から東京の方に行ってみようと思いました。
宿をとる術も知らなかったですし、お金も無かったので、そういうのは抜きにして泊まる場所は漫画喫茶にしようと思って出かけました。神保町や皇居周辺や地下鉄やらを見たり乗ったりして、昔聖泉の教会総会やセミナーの際に東京を色々歩いた記憶を思い出しましたが、コンクリートジャングルと言われているように店を出ると方向感覚がわからなくなるくらい目まぐるしく街で働く人や交通が動いていたのを覚えています。
そして日本武道館に入っていざ倉木麻衣さんのコンサートが始まると本人はとても小さく私は上の席で更に小さく見えていたので驚きでしたが、その一生懸命歌っている姿や歌声の迫力に圧倒されたのと同時に何か涙するものがありました。
私は今のままで良いのだろうかと漠然とですが思いました。何かを変えなくてはならないと仙台に帰って来てなお強く思いました。翌日礼拝がありましたので、礼拝に出席させていただき終わって帰ろうとしたら、盡子先生に声をかけられて別の部屋に来るようにと言われました。そこで話されたのが今の妻との結婚の話でした。
本当に整っておらず多くの不備がありましたが、その時神は私に今の状況から変わりなさいと道を示してくださったと思っています。その後家庭集会で先生方に毎月指導していただき少しずつ整えられて行き現在は子供2人にも恵まれ教会で元気にはぐくまれて感謝しています。神の祝福の内に生きるという事が少しずつ分かって来たように思います。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)