同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

~ 祖父の召天 ~

石井 勝

「私と私の家とは、主に仕える。」 (ヨシュア記 24:15)

 3月13日、(母方の)宇都宮の祖父が94年の地上での生涯を終え、天に召されました。
私の父母方の祖父母はいずれも初代のクリスチャンです。宇都宮の祖父以外は、既に天に帰っておりましたが、今回の祖父の召天で、祖父母全員が天に帰ったことになります。

 宇都宮の祖父は15歳の時、満蒙開拓団として、現在の中国・黒瀧江省に渡りました。
しかし、2年が過ぎた頃に終戦となり、強制的にシベリヤに拘留されました。栄養失調になり、死亡する者が続出する中で、命からがら日本に帰って来ることができました。
 帰国後、祖父の兄は牧師をしておりましたが、その信者さんが営むクリーニング店で働くことになりました。その信者さんの家では、定期的に集会が開かれており、誘われて集会に出席しました。集会の中で開かれた、
「すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしの所に来なさい、わたしが休ませてあげます。」(マタイ11:28)
が祖父の心の内に入り、勇気があたえられ、入信を決心したそうです。
 集会に出席しているうちに、結婚相手が導かれ、結婚式の当日に洗礼を受け、クリスチャンになったそうです。

 その後、宇都宮にクリーニング店を開業し、生涯主に仕え、その信仰を守り抜きました。
祖父は冒頭の聖言を実践しました。現に、私の母を含め、与えられた3人の子供は全員クリスチャンです。
 3月21日に宇都宮で執り行われた告別式には、子供3人・孫6人・曾孫7人そして、その家族が全員参列して、祖父を葬ることが出来ました。

 私が、最後に祖父と会ったのは、長男がまだお腹にいた時、妻と那須旅行の帰りに宇都宮に寄った時です。レストランで食事をして、最後、別れ際に「無事に誕生するよう、お祈りして下さいね!!」と言って、祖父が笑顔で応えてくれたことを覚えています。
 長男が誕生して、まもなくコロナウイルスが流行し、最後まで、曾孫の顔を直接見せることは叶いませんでした。
 しかし、告別式には家族全員での参列が許され、祖父の信仰を改めて思わせて頂きました。尚、私達も主に仕える家族で有らせて頂きたいと思います。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)