読者の広場 <短歌>
— 深 呼 吸 —
鈴木 健一
私は大学で地球物理学を専攻しました。地球という自然を気象や地震学などの物理学的な目で見ることを学んだのですが、それは現代社会を生きる上で大変役立ちました。しかし、退職してから毎日散歩をし、マンションや電線の向こうに青い空や夕日や遠い山を見るようになって、ふと私の自然観が科学に偏ってしまっていることに気づきました。古来誰もがやってきたように、ごく普通に自分の五感を使って自然を味わい、そこで神様の偉大さや美しさを思うことに欠けていたのです。大きく深呼吸をして、新しい一歩を踏み出してみました。| 
四十年(よととせ)よ
 水底(みなぞこ)潜りきしごとし 
雲なき空よ 深く息吸う 
地平なす山脈(やまなみ)の上(え)に白き雲 わずかに光り 
空晴れわたる 
はるかなる山脈つつむ夕映えの 天頂に至る 
頭(こうべ)を垂れぬ 
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(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)