読者の広場 <短歌>
— 大岩の陰(二) —
鈴木 健一
26歳の時同じ教会の姉妹と結婚して40数年たちましたが、働き、子育てをしている頃とはちがった夫婦生活の深みを感じるようになりました。とくに大病をして以来、妻の世話になることが増え、それまでも無意識のうちに妻に多くのことを依存していた自分にきづきました。妻を新しく発見したといえるかも知れません。
ある時ふっと、幼い時から一緒に生活していたのではないかと、感じたことがあります。妻にそういいましたら、自分もそう感じると答えました。
最近は、信仰の世界を話し合うことが多くなりました。次の歌も、このような関係から生まれたものだと思います。
陽だまりの 窪にて 魔法瓶(ポット)の 珈琲を そそげば湯気たち なごむ妻の顔 |
枯れ草に 妻と挫りて 陽をあびる ことなどなかりき 童謡の ヂュエット |
二つ下 六十八歳の 妻の声 意外に若し 陽だまりの ヂュエット |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)