読者の広場 <短歌>
— 函館ハリストス教会(二) 復活聖堂の庭 —
鈴木 健一
この百五十年の間にロシアは、1917年から約70年余、ソビエト連邦という世界に覇をとなえる大共産主義国家でした。しかし、唯物史観に立ち宗教を認めない国の中で圧迫されながらも、ロシア正教会は生き続けました。その穏やかな古い生き方の中の何処に、強かな、信じられないほどの生命力があったのかと思います。
ひと目見れば忘れられない特徴的な教会の周りの庭を散歩しながら、どっしりとロシア風に様式化された建築様式が、その生命力のシンボルのようにも感じられました。プロテスタントのメソジスト系で、ホーリネスの流れに属する私たちにはないものを、もっているのではないかと、ふと考えたことです。
煉瓦積み 漆喰(しっくい)仕上げの 白き壁 堅固に輝ふ 復活聖堂 |
雲ゆけば 正教会の 白壁の しばし翳(かげ)りて また輝(かがよ)へる |
尖塔の 濃き陰涼し 裏庭の 漆喰はげし 煉瓦積みの壁 |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)