読者の広場 <短歌>
— 横浜海岸教会(二) —
鈴木 健一
私は19歳の時教会に行き、受洗しました。1959年のことで、奇しくもプロテスタント宣教100周年でした。大学受験の浪人中でしたが予備校を休んで、東京で開かれた記念集会に出かけたことを、今でも憶えています。ですから、150周年には特別な思い入れがあるのです。
さて、横浜には夕暮れが迫り、海岸教会の門は閉じられようとしていました。外から会堂や庭を見ながら、係のご婦人に会釈をしますと、手を止めて教会の説明をしてくれました。私たちがクリスチャンですといいますと、喜んでくれ、ぜひ昼間来てほしい、中を案内するからと言ってくれました。二ヶ月後、今度は妻と明るいうちに訪問しましたらわたくしのことをおぼえていてくれ、丁寧に案内してくれただけでなく、塔の鐘をわざわざ鳴らしてくれました。それは感動的な音色で、妻は思わず涙ぐみました。
門とづる 婦人手を止め
夕映えの
塔の鐘のこと 語りてくれぬ |
宣教師 バラの英語の 塾盛り
プロテスタントの
百五十年始まる |
石造りの 小さき会堂 建てしとふ
十字架立つ浜
黒船の港 |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)