同労者

キリスト教—信徒の志す—

読者の広場 <短歌>

— 関東大震災3 —

鈴木 健一

 昨年の春私たち夫婦は、九州から勉強のため上京している甥を連れて、両国の東京都慰霊堂を訪れました。甥も九州大学で地球科学を専攻しましたので、関東大震災を考えるのは役に立つだろうと思ったからでした。私は、大学で地震学を専攻しました。そして、務めた女子聖学院中学校高等学校では、理科を教えました。
 しかし、私たち日本人にとって「地震」とは、単なる科学的知識の問題では決してありません。すでに1995年の阪神大震災で、どんな人もふいにやってくる、しかも真剣に直面しなければならない問題であると、深く考えさせられていました。
 東京都慰霊堂の訪問によって、「地震」とは、神様が私自身の内部に深く植え込み給うた重大なもののひとつである、と思わされました。その一年後の今年の春、東日本大震災にまた会ったのです。

地球科学 専攻の甥
凝然(ぎょうぜん)と立つ
大地震・大火事 すべなき人の群

震災の 供養塔(くようとう)仰ぐ
中学生われ
地震学専攻すとは 思ひもよらざりき

震災記念堂内 おずおず巡りし 九月一日は
始業式の帰りか
五十有余(ゆうよ)年前
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)

Valid XHTML 1.0 Strict