読者の広場 <短歌>
— 大震災(2) —
鈴木 健一
埼玉にいる私は、大震災の直接の被害者ではありません。被害にあわれた方々は思いも及ばない苦悩を味わっておられることです。しかし、このたびの地震で関東地方も揺れました。余震に脅える毎日でした。余震にゆすられながら、三陸の海岸を津波が襲う様をテレビで見ているのです。三週間ほど毎日そうしている内に、首筋が痛み出し、体全体が硬直を始めました。テレビで、関東地方の高齢者がそのようなストレス性の痛みを覚えだしていると、報道されました。多くの人にとって、他人事ではなかったのです。何かデータを科学的に並べて地震や津波を客観的に眺めるのとはまったく異なった体験でした。以下三首は、その始まりの頃の歌です。
寝入りばな 暁(あかとき)部屋の 揺れきしる 緊急情報 またも見て三日 |
震度五か 余震に床(とこ)出ず 三陸の 避難の人ら 四日目の夜 |
どす黒き 怒濤(どとう)すべなき 人の様 見疲れはてぬ またも余震が |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)