同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 香料、薬草、野草から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

いのんど ―――>イノンド
Anethum graveolens
セリ科イノンド属


忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは、はっか、いのんど、クミンなどの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、すなわち正義もあわれみも誠実もおろそかにしているのです。これこそしなければならないことです。ただし、他のほうもおろそかにしてはいけません。
(マタイ23:23)

 ヨーロッパ、地中海沿岸、イラン西部、インドなどが原産地とされる。セリ科特有の黄色い小さな花を複繖形花序につける。果実の長さは4~7mmで楕円形偏平で稜を有し、香気が強く、苦味がある。イノンドの果実は食物の香り付けに、駆風剤などに使用する。葉はピクルスの調味、ソース、スープの香料、サラダなどに用いる。炒った種子はコーヒーの代用、種子の油は石鹸の香り、香水などにも使用していたようである。
 イノンドは精油3~4%を含み、その主成分はcarvoneでその他limonenなども含む。精油には駆風作用がある。イノンドは栽培されているし、そのエスケープしたものが野性化している。イノンドの原種はRidolfia segetmでイスラエルに自生している。