同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書の植物

— 香料、薬草、野草から —

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可により掲載。
 詳細は同氏のホームページ

http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002march2.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。

コエンドロ
Coriandrum sativum
セリ科コエンドロ属


イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それは、コエンドロの種に似て白く、蜜の入ったウェファースのような味がした。
(出エジプト記16:31)

 このコエンドロの箇所のヘブライ語はgadとなっている。天からのイスラエルの民に与えられたマンナの味はガドゥの実のように白いとある。このガドゥをコエンドロと同定する根拠はあまりない。コエンドロは砂漠では育たない。また種も白くはない。大いに疑問のある植物である。しかし民数記11章7節には「マナはコエンドロの種のようで、一見、琥珀の類のようであった。」とあり、コエンドロの色が琥珀のようであるとなっている。創世記30:11には固有名詞として出てくる。
 コエンドロはセリ科の一年草で、深く切れ込んだ葉があり、小さな白い花が繖形花序をなす。果実は円形で1~3mmでがくは痕跡のようになっている。植物全体に強い香りがあり、イスラエルに自生し、冬の作物の間に雑草として生えている。かつては薬味として広く使用されていた。葉は時にサラダ、スープ、プディング、カレー、ワインなどの香りに、実も香辛料に使用される。弱いが駆風作用もある。草丈30~60cm。東南アジアでは、コエンドロの葉がスープやサラダに使われている。大村博士は、コリアンダーの葉の優れた重金属除去作用を報告している。