同労者

キリスト教—信徒の志す—

わかふうふ、わかもん、いっしょに学ぼっ!

— 信頼関係を築くこと —

susumu-san

茂永 進



「兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。」(ピリピ 3:13-14)

 3年前の6月の日曜日、私は独立して事業を始めるために、当時勤めていた会計事務所の担当先の株主総会に出席していました。
私は、その担当先の前社長のご好意で、半年ほど前から、勤務時間外に会計事務や文書作成等のアルバイトをさせて頂いていました。
独立を祈りつつ模索していた私は、この株主総会を機に、経営陣の方々に独立後の取引先として認めてもらうことをお願いする為に臨んだのでした。
しかし、私にとって大きな問題は、この株主総会によって、信頼関係を持つことが出来た前社長が退任し、経営陣の中から私の事をあまり知らない現社長へ交代することが正式に決定したことでした。
前社長には内諾を頂いていましたが、改めて現社長へお願いをしたところ、「あなたの事は良く知らないが、とにかく1年、様子を見させてもらう」との渋い返答でしたが、何とか独立後の取引先として認めてもらい、現社長との関係が始まりました。

 現社長は、前社長がとてもワンマンな経営をしてきた方だったので、その手腕をこころよく思わず、その前社長と関わっていた私に対して、独立して正式に仕事をさせて頂く中でも素っ気ない態度が続きました。
 私は、何としてもこの取引先を失わないように現社長との信頼関係を築くことに時間を掛けることを決めました。
心がけたことは、依頼された仕事への誠実な姿勢とその会社の直面する問題の解決に共に労することでした。
所有する建物の老朽化のために、依頼してきた工事業者の工事の仕上がりや不当な請求に不満があるということで、私の取引先の工事業者を紹介し、妥当な請求金額と納得のいく工事をしてもらうことが出来たり、会社のお金の流れを前社長の頃よりも明朗にするように、資金繰り表や予算書を定期的に提出するようにしました。
また、株主の方々の旅行会の幹事として積極的に世話役として働きました。

 1年が過ぎ、現社長から特段何も言われることなく取引先としての関係が継続することが出来、少しずつですが、信頼関係を築けてくることが出来た事を神に感謝しました。
その後、私が通っているジム(グランスポール長町)に現社長も会員であることがわかり、時々ジムでお会いする機会も増えました。
その関わりの中で、私がクリスチャンであることをお話しする機会があり、信仰している事にとても理解を示して頂きました。

 こうして、3年が過ぎたこの年の6月の日曜日も株主総会が行われました。
その席で、現社長より日曜日の礼拝について改めて聞かれ、来年からは自分はクリスチャンではないが、日曜日に株主総会をするのはせっかくの休日がもったいないので、こだわらずに土曜日にすることを話して頂きました。

 私はこの時、神の不思議な導きと、途中であきらめることなく現社長との信頼関係を築くことが出来たことを心より神に感謝したことであります。
 私はいま、会社を経営していくことに苦悩する毎日を送っていますが、取引先との信頼関係を築くことの重要性を覚えつつ、御聖言のごとくこの一事に励み、キリスト・イェスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走り続ける者としての信仰に立って、自分に与えられたこの試練を乗り越えさせて頂きたく願います。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)