同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 書くことの勧め —

野澤 睦雄


「持っている者はさらに与えられて豊かになり、持たない者は持っているものまでも取り上げられてしまうからです。」(マタイ 13:12)

 本誌の論説に、「ペンテコステについて学んでおくべきこと」という表題で掲載しましたが、1回のつもりが導きを感じて書き続け長くなってしまいました。
説教では、説教者がだれよりもその説教によって恵みに与るといわれますが、書くことにおいても同じで、書いた私がもっともその内容についての恵みに与ったと思います。

 私たちは聖霊の宮であって、聖霊がキリストの救いに与った私たち人間をの内に住んでいてくださることを、福音派に所属する教会の信者であるなら、恐らく漏れなくその通りであると納得していることだろうと思います。しかし中にはパウロに「あなたがたのからだは、あなたがたのうちに住まれる、神から受けた聖霊の宮であり、・・を、知らないのですか。」と指摘された信者たちのようで、聖霊のことは考えていない方々もおられることでしょう。
 今回は聖霊について書くことを通して、自分が書いているテーマについて深く考察し、祈る時が与えられ、聖霊が私と一体になってくださっていることを、常時実感するものとなりました。
 皆さんも自らの福音経験について、書いて発表し、証するなら、それぞれ内容は異なっても、書いたことがらに本人が最も豊かに与ると信じます。

 話すことは、言おう思ったことを言い間違えたり、表現がまずかったり、言い忘れることが多くありますが、書くことには、それを考察し、いったん書いたことを直すことができます。また発表する前に、あるいは後からでも、自ら読み返し、与えられた宗教経験に浸ることができます。
 集会に出席することによって、説教をきくことによって、讃美することによって、教会の様々なご奉仕をすることによって、聖書を読むことによって、祈りの時をもつことによって、献げることによって、・・神の恵みを私たちは頂きますが、それは私たちの霊性と関わっており、それらをうしなうと霊性は衰えてますますそれができなくなりますし、それらを獲得するならば、ますます霊性を善いもの、豊かなものとしていただくことができ、ますますそれを獲得しやすくなると信じます。
 この年、皆さんも信仰の証を書いてみることをお勧めします。そして霊的に進歩のある信仰生活を送りましょう。

(仙台聖泉キリスト教会会員)