巻頭言
— いやされて —
石井 行雄
「イエス・キリストがあなたをいやして
くださるのです。立ち上がりなさい。」
(使徒 9:34)
一年前、昭和の大事件と同じ2月26日に会社で10mのホースを点検作業中、ホース内の空気圧によって外れた金属の蓋が右下腹部を直撃しました。幸い臓器の損傷はなかったのですが、内出血がひどく、入院することになりました。仕事での怪我は今回で7回目ですが、入院したのは初めてです。
高所作業等とは違って、作業中は危険であることがわからず、思いもよらない事故でした。
2、3日は安静にしなければならず、できることは食事とトイレとラジカセで讃美歌を聞くことぐらいでした。
そんな中で思い浮かんだ御言葉は「献身」でした。」昨年、講壇から「我が主への献身」と題する説教がなされ、自分の思い通りではなく、神主導で物事は動くことが語られました。ですからいやされることを祈りましたが、その前にこれから起こるあらゆる状況を受け入れ、神に献げること、委ねることが大切だと思いました。
幸いにも経過は順調で、12日後に退院し、24日間自宅で静養してから職場に復帰しました。教会の集会では兄弟姉妹が私の名前を呼んで祈って下さったことが心に残り、とてもうれしく感謝したことであります。
神の導きと助けによって試練を乗り越えて、ここまで来ました。今回の出来事を通して、平凡に思える日々の生活が当たり前でないこと、感謝と謙りをもって主の前に1日を大切に生きることを学びました。
今は後遺症もなくほとんど元の体に戻り、元気に働いています。70才の時、今の会社で働くことを2年延長しましたが、今年になって3年延長し、75才まで働くことにしました。長い年月に感じますが、健康と働く意欲を主から与えていただき実現したいと思います。また教会では三人の75才以上の兄弟が働いていることも私にとって励みとなっています。
若い頃、ジョン・ウェスレーの説教「金銭の使用法」の中で、仕事に関して、できる限りもうけ、利得し、浪費せず(倹約して)、貯え、できる限り与え(献げ)よ」と書かれている所を読んで感銘を受けたことです。この年になってもそのような者でありたく、励んでいきたいと思います。