同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書研究

— 救いについて(26) —

野澤 睦雄


「シオンは公正によって贖われ、その町の悔い改める者は正義によって贖われる。 」 (イザヤ書 1:7)

3.聖書が示す人間観・・・救いの必要、救いの内容を考察する基礎

 ・神が人間のために備えられた救いに関する聖書の記述

<悔い改め>  救いの内容である「義認」と「新生」を先に記しましたが、その基礎である「悔い改め」について、聖書の教えていることを整理しておこうと思います。

  - 悔い改めの重要性 -

1) バプテスマのヨハネもイエス・キリストもその宣教のはじめに「悔い改め」をのべていることから、新に福音に接するひとびとにとって、まず取り組まなければならないことであることが示されていること。
「そのころ、バプテスマのヨハネが現れ、ユダヤの荒野で教えを宣べて、言った。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」」 (マタイ 3:1-2)
「この時から、イエスは宣教を開始して、言われた。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」(マタイ 4:17)

2) パウロは、ユダヤ人にも異邦人にも神い対して悔い改め、イエス・キリストを信じるように勧めることによって宣教したこと。
「ユダヤ人にもギリシヤ人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰とをはっきりと主張したのです。」(使徒 20:21)

3) 復活されたイエスが、あらゆる国の人々に「罪の赦しを得させる悔い改め」が宣べ伝えられる、弟子たちはその証人であると言われたこと。
「その名によって、罪の赦しを得させる悔い改めが、エルサレムから始まってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる。 あなたがたは、これらのことの証人です。」(ルカ 24:47)

4) 神はすべての人が悔い改めに至ることを望んでおられる。そのために再臨を遅らせておられる。罪人が悔い改めることは神の願いであること。
「主は、ある人たちがおそいと思っているように、その約束のことを遅らせておられるのではありません。かえって、あなたがたに対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。」(ペテロⅡ 3:9)

5) 神はすべての地、すべての人に悔い改めなさいと命じておられること。
「神は、そのような無知の時代を見過ごしておられましたが、今は、どこででもすべての人に悔い改めを命じておられます。」(使徒 17:30)

6) 神は悔い改めなければ滅びると宣言しておられること。
「あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます。」(ルカ 13:3)

  - 悔い改めとは何か -

1) 自分の行いを省察して、その悪を後悔し、憂い、悲しみ、嘆き、うめくことである。
「わたしは注意して聞いたが、彼らは正しくないことを語り、『私はなんということをしたのか』と言って、自分の悪行を悔いる者は、ひとりもいない。」(エレミヤ書 8:6)

2) 自分の悪い行いを改め、神にかえることであること。
「あなたがたの着物ではなく、あなたがたの心を引き裂け。あなたがたの神、主に立ち返れ。主は情け深く、あわれみ深く、怒るのにおそく、恵み豊かで、わざわいを思い直してくださるからだ。 」(ヨエル書 2:13)

 - 悔い改めとはどうすることか -

1) 自分の悪い行いに、悲しみ、恥、嫌悪していることを表すこと。
「まことに、私は自分のそむきの罪を知っています。私の罪は、いつも私の目の前にあります。 私はあなたに、ただあなたに、罪を犯し、あなたの御目に悪であることを行いました。」(詩篇 51:3-4)

2) 神に自分のなした悪い行いを告白し、赦しを求めることによって表すこと。
「イスラエルよ。あなたの神、主に立ち返れ。あなたの不義がつまずきのもとであったからだ。 あなたがたはことばを用意して、主に立ち返り、そして言え。「すべての不義を赦して、良いものを受け入れてください。」」(ホセア書 14:1-2)
「取税人は遠く離れて立ち、目を天に向けようともせず、自分の胸をたたいて言った。『神さま。こんな罪人の私をあわれんでください。』」 (ルカ 18:13)

3) 自分の悪い行いを改めることによって表す。自分の力でできないところを、神は救いの恵みによって助けてくださること。
「それゆえ、イスラエルの家よ、わたしはあなたがたをそれぞれその態度にしたがってさばく。──神である主の御告げ──悔い改めて、あなたがたのすべてのそむきの罪を振り捨てよ。不義に引き込まれることがないようにせよ。 あなたがたの犯したすべてのそむきの罪をあなたがたの中から放り出せ。こうして、新しい心と新しい霊を得よ。」(エゼキエル書 18:31)
「それなら、悔い改めにふさわしい実を結びなさい。 」(マタイ 3:8)実とは行いのことです。

4) 神に信頼し神に立ち返ること。
「あなたがたの罪をぬぐい去っていただくために、悔い改めて、神に立ち返りなさい。」 (使徒 3:19)
「あなたがたがどのように偶像から神に立ち返って、生けるまことの神に仕えるようになり、・・」(テサロニケⅠ 1:9)

  - 悔い改めの結果 -

1) 罪の赦しを得る。悔い改めは義認と一体である。悔い改めないなら義認もない。イエス・キリストを信じる信仰は悔い改めにつづいて得らえること。
前出、(ルカ 24:47)、(使徒 3:19) 、(ルカ 13:3)。

2) 一人の悔い改める者のために天に喜びが起こること。
「あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人にまさる喜びが天にあるのです。・・・あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、神の御使いたちに喜びがわき起こるのです。」(ルカ 15:7,10)

3) 悔い改めによって聖霊を受ける最初の条件が果たされること。
「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。」(使徒 2:38)

- どのようにして人は悔い改めに至るか -

1) 魂に覚醒が与えられることによって。
「しかし、我に返ったとき彼は、こう言った。『父のところには、パンのあり余っている雇い人が大ぜいいるではないか。それなのに、私はここで、飢え死にしそうだ。」(ルカ 15:17)

2) 聖霊に満たされたひとによって語られる神のことばを聞き、それを信じることによって。
「人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、「兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか」と言った。」(使徒 2:37)

3) 神のなさけ深いことを知ることによって。
「神の慈愛があなたを悔い改めに導く」(ローマ 2:4)

4) 神の叱責と懲らしめによって。
「わたしは、愛する者をしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって、悔い改めなさい。」(黙示 3:19)

5) 神のしもべの柔和な譴責に憂い、悲しむことによって。
「あの手紙によってあなたがたを悲しませたけれども、・・・今は喜んでいます。あなたがたが悲しんだからではなく、あなたがたが悲しんで悔い改めたからです。あなたがたは神のみこころに添って悲しんだので、私たちのために何の害も受けなかったのです。 神のみこころに添った悲しみは、悔いのない、救いに至る悔い改めを生じさせますが、世の悲しみは死をもたらします。」(コリントⅡ 7:8-10)

6) 神ご自身を見ることによって。
(ヨブ記 42:5-6)

(仙台聖泉キリスト教会員)