同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書研究

— 救いについて(17) —

野澤 睦雄


「あなたは、神はおひとりだと信じています。りっぱなことです。ですが、悪霊どももそう信じて、身震いしています。」
(ヤコブ 2:19)

2.救いに関して知っておくべきこと

 ・「この世」と「神の国」

  先に説明したように、「この世」は二つの意味に用いられます。
そのひとつは「霊の世界」と「物質の世界」という区分の「物質の世界」という意味です。
もう一つは「神が支配されている世界」と「悪魔が支配している世界」という区分の、「悪魔が支配している世界」の意味です。
 実際には、霊の世界と物質の世界は一体となっているものであって分離できません。
  霊の世界は、「天」と「地」と「黄泉」と「地獄」です。人は死んだ後黄泉にいき、後に神の裁きによって天(天国)に行くか、地獄に行くか決定されます。「この世」はそのなかの「地」をさしています。天、地、地獄は霊の世界にあるのであって、天が空の上にあって、地獄が地面の下にあるのではありません。
 イエスが荒野でサタンの試みにあわれたとき、サタンの誘惑の言葉の一つは、「また、悪魔はイエスを連れて行き、またたくまに世界の国々を全部見せて、 こう言った。「この、国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです。ですから、もしあなたが私を拝むなら、すべてをあなたのものとしましょう。」」(ルカ 4:5-7)でした。
サタンが自分に任されていると主張している世界は自然界そのものです。パウロもこの世を支配しているのは悪魔であることをのべています。
「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。」(エペソ 6:12)
 イエスが言われたことを読んで見ましょう。「これを聞いたパリサイ人は言った。「この人は、ただ悪霊どものかしらベルゼブルの力で、悪霊どもを追い出しているだけだ。」イエスは彼らの思いを知ってこう言われた。「どんな国でも、内輪もめして争えば荒れすたれ、どんな町でも家でも、内輪もめして争えば立ち行きません。もし、サタンがサタンを追い出していて仲間割れしたのだったら、どうしてその国は立ち行くでしょう。また、もしわたしがベルゼブルによって悪霊どもを追い出しているのなら、あなたがたの子らはだれによって追い出すのですか。だから、あなたがたの子らが、あなたがたをさばく人となるのです。 しかし、わたしが神の御霊によって悪霊どもを追い出しているのなら、もう神の国はあなたがたのところに来ているのです。」(マタイ 12:24-28)
 この悪魔が支配している「この世」に、神が支配されている「神の国」が来ていると。
 これがイエス・キリストの救いの内容のひとつを示しています。すなわち救われたひとは、「この世」に生きていながら「神の国」の住人となり、神の国に生きるのです。  

(仙台聖泉キリスト教会員)