同労者

キリスト教—信徒の志す—

ショートコラムねだ

— レビヤタン —


「あなたは釣り針でレビヤタンを釣り上げることができるか。輪繩でその舌を押さえつけることができるか。・・あなたはもりでその皮を、やすでその頭を十分に突くことができようか。・・だれがその外套をはぎ取ることができるか。だれがその胸当ての折り目の間に、入れるか。だれがその顔の戸をあけることができるか。その歯の回りは恐ろしい。その背は並んだ盾、封印したように堅く閉じている。・・それを剣で襲っても、ききめがなく、槍も投げ槍も矢じりもききめがない。それは鉄をわらのように、青銅を腐った木のようにみなす。矢もそれを逃げさせることができず、石投げの石も、それにはわらのようになる。こん棒をもわらのようにみなし、投げ槍のうなる音をあざ笑う。その下腹は鋭い土器のかけら、それは打穀機のように泥の上に身を伸ばす。」(ヨブ記 41:1-34)
「あなたは、御力をもって海を分け、海の巨獣の頭を砕かれました。あなたは、レビヤタンの頭を打ち砕き、荒野の民のえじきとされました。」(詩篇 74:13-14)
「その日、主は、鋭い大きな強い剣で、逃げ惑う蛇レビヤタン、曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し、海にいる竜を殺される。」(イザヤ書 27:1)

 聖書を読んでいきますと、ときどきこれは何だろうと思うことばに出会います。そのひとつが表題の「レビヤタン」です。
 ことばの意味は「拗(ねじ)けた」動物をさすとのことです。拗けるとは曲がりくねる、ゆがむことで、心にも使い、こころが拗けるとはひねくれることです。
 引用した最初のヨブ記の説明は、レビヤタンは鰐(わに)によく当てはまっています。わには堅いうろこで覆われ、槍も矢じりも、石を投げつけても跳ね返し、「泥の上に身を伸ばす」と表現されています。
 後の詩篇とイザヤ書のことばでは、海の巨獣なのでわにではなく、大海蛇のイメージになります。わには淡水の生き物で海水には住みません。

 米田豊の解説には、
「レビヤタンとは、拗けたる動物の意を表すアラビヤ語で、海蛇、鰐魚等凡ての水中の怪物をいう。」(旧約聖書講解p.383)とか書かれています。