第294号
2024年5月

・・・ 表紙の写真はイスラエルの樹木 樫の木 ・・・
廣部千恵子氏の許可を得て掲載した聖書の植物のひとつです。
「主はアブラムに仰せられた。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、
わたしが示す地へ行きなさい。・・・アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。
・・・ロトも彼といっしょに出かけた。アブラムがハランを出たときは、七十五歳であっ
た。アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、ハランで加え
られた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地に
入った。アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレの樫の木のところまで来た。
当時、その地にはカナン人がいた。そのころ、主がアブラムに現れ、そして「あなたの子
孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった主の
ために、そこに祭壇を築いた。彼はそこからベテルの東にある山のほうに移動して天幕を
張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は主のため、そこに祭壇を築き、主の御
名によって祈った。」(創世記 12:1-8)
アブラハムがハランからカナンに入ってきたとき祭壇を築いて神を礼拝したのが、シェ
ケムの樫の木のところでした。
「神はヤコブに仰せられた。「立ってベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、
あなたが兄エサウからのがれていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」
それでヤコブは自分の家族と、自分といっしょにいるすべての者とに言った。「あなたが
たの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、着物を着替えなさい。そうして私たち
は立って、ベテルに上って行こう。私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道
に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう。」彼らは手にしていたすべての異国の
神々と、耳につけていた耳輪とをヤコブに渡した。それでヤコブはそれらをシェケムの近
くにある樫の木の下に隠した。」(創世記 35:1-4)
息子のシメオンとレビが、シェケムの男を皆殺しにしたためにそこにいられなくなった
時、神はヤコブに「ベテルに行ってそこに住みなさい。」といわれました。ヤコブは移動
する前に家族が持っている偶像に関わるものを捨てさせ、樫の木の根元に埋めました。恐
らくそれはアブラハムが祭壇を築いたところであったことでしょう。残念なことにヤコブ
はベテルに行きましたが、神の言葉に従わず愛妻のラケルが妊娠中であったにも関わらず
そこに住まないでまた移動しました。ラケルが死んだのはそのためであったかも知れませ
ん。