聖書研究
— 救いについて(47) —
野澤 睦雄
「あなたがたは、あらゆる努力をして、信仰には徳を、・・・加えなさい」(ペテロⅡ 1:4-8)
3.聖書が示す人間観・・・救いの必要、救いの内容を考察する基礎
<自分の建設>
ペテロは「あらゆる努力をして」「信仰に徳を加えなさい。」と勧めています。私たちは「その(イエスの)栄光と徳によって、尊い、すばらしい約束が私たちに与えられました。」(ペテロⅡ 1:4)と書かれていますから、イエス・キリストは栄光と特に満ちておられ、イエスに倣うことがなすべき最初のことと考え、先にイエスの謙遜と柔和にについてしてきしました。
戻って、「徳」とは何を意味しているのでしょうか。
日本語の徳という言葉について国語辞典に書かれていることは
「1 道徳的、倫理的理想に向かって心を養い、理想を実現していく能力として身に得たもの。また、その結果として言語、行動に現れ、他に影響、感化をおよぼす力。社会的な観点から評価される人格。
2本来備えている能力。天賦。天性。また、すぐれた力・はたらき。能力。効果。3ある人格から受けるめぐみ。恩恵。慈悲。特に、天子のめぐみや神仏の加護。
4おかげ。ため。
5長所。美点。すぐれているところ。
6富。また、富裕であること。財産。経済力。」
がその一例です。
しかし、これが聖書の言う「徳」を十分表しているとは言えないでしょうが参考にはなります。
徳と翻訳されている言葉は、英語訳聖書では「Goodness」(New International Version)「Virtue」(King James Version)などと訳されています。
「Goodness]は人の性質のよさ、善良さ、優しさ、寛容さなどを表します。
「Virtue」は、徳、高潔さ、道徳的美点などを表すと辞書に書かれています。
こちらの方がギリシャ語聖書のことばをよく表現できていると思います。
「よい人でありなさい。」そうすれば、ペテロの言う信仰に徳を加えなさいという勧めを全うするでしょう。
「それは、ナザレのイエスのことです。神はこの方に聖霊と力を注がれました。このイエスは、神がともにおられたので、巡り歩いて良いわざをなし、・・・。」(使徒 10:38)のでした。
このこともイエスに倣ってよいわざを行うものでありましょう。