ショートコラムねだ
— ベンチが動く? —
昔の人はよく面白いことばを考えたものだと思うことしばしばである。
たとえば、
「臍を噛む(ほぞをかむ)」
へそを噛むのである。くやしさのあまり、へそまで口がとどくのか?
これはどちらかと言えば、自分の「へま」にほぞを噛む方が、誰かに悔しい思いをさせられるよりも多いのでありますが。
「臍(へそ)が茶を沸かす」
もともとは、笑いこけるいみであったが、少々嘲って嗤う意味になったらしい。
笑いこけるのは「腹の皮がよじれる」ともいう。
「臍(へそ)曲がり」
へそが腹の横っちょにでも付いていることを「曲がり」というのか?
「臍繰り(へそくり)」
へそくりは、亭主よりも女房のお手のもの。日本の女房は概してえらい!家族の不意の用のためにへそくりを使う。
意図したわけでないが、臍シリーズになってしまった。
最近よく聞く言葉で、これは面白いと思うのが、表題の「ベンチが動く」である。
ベンチが動くって、地震か? 誰かが押した? ベンチを固定したはずのアンカーボルトが存在しなかったのか?
皆さんお馴染みの、野球の放送でよく聞くのでありますが、「へそくり」同様ごくごく当たり前に通用することばとして使われている。
野球通でない人のために言い添えますが、「ベンチが動くとは」、監督が選手交代の采配をふることですよ。
聖書のなかにも、ことわざとなった、と書かれていることがある。
「サウルもまた、預言者のひとりなのか」
(1サムエル19:24)
これはどういう意味なのでしょうね。