同労者

キリスト教—信徒の志す—

ショートコラムねだ

— 再び「沈黙の春」を考える —


 これは科学技術の論文などといえるものではない。巷に溢れている情報から考えられることの羅列である。
 先日仙台の宮城学院女子大学で、戸籍上の男性もちろん体は男性であるひとでも、自分で女性だと思うひとを入学させると発表した。
世界保健機関(WHO)もいままで性同一性障害として精神病扱いをしていたが、もう病気扱いを止めてしまった。
男が男を愛したり女が女を愛したり、男と女の区別がつかないという、まことに奇妙な時代である。
男色なるものは昔からあったが、それは今の騒ぎの対象とは別物と感じる。
「男がもし、女と寝るように男と寝るなら、ふたりは忌みきらうべきことをしたのである。彼らは必ず殺されなければならない。」(レビ記 20:13)

 かつて経口避妊薬(ピル)が大量に出回って、それに含まれている女性ホルモンが分解されずに拡散し、それが食物連鎖を通して人に吸収され、男が女の感情を持つようになるのだとの噂が流れたことがあった。たしかに、男が男を愛するなどということは、そのような薬が売られる国々、地域のことであって、そのようなものとは関係のない国々では聞いたことのないことであった。データをキチンととってピルの販売量との相関を分析したらきっと有意差がでたこと(本当だということ)だろう。これは人間の性ホルモンに関することである。

 次に衝撃的な情報は、レイチェル・カーソン「沈黙の春」という論文であった。
彼女が調査したのは、殺虫剤DDTを初めとする農薬類が生物に対し性ホルモンとして作用することにあった。
雄と雌がキチンと誕生できずやがて種が断絶する。それで春になっても鳥が鳴かない時代が来ると警告した。 追跡調査が行われ、一部違っていたことも知られているが、全体としてそれは事実であることが証明されている。
その効果は「環境ホルモン」と呼ばれるようになった。
 人間は食物連鎖の頂上にいる。だから動物に起きることは人間に影響することであろう。
動物の世界では、体のことしか分からない。
人間でも両性具有とかも増えるかもしれないが、それは、大抵は小さいとき密かに手術よって対応されるであろう。

 今人間の世界を揺るがせているのは体のこと以上に、「こころのこと」である。
もしかしたら、そういう問題を抱えているひとたちは、世に売られた化学物質による被害者なのかも知れない。

  男と女は役割が違うのであることがよく分かる。たとえどのようなことがあろうとも、教会の子供たちが、男の子は男に女の子は女にしっかりとなっていってもらいたいものだ。